願いながら、祈りながら (文芸書)
願いながら、祈りながら (文芸書) / 感想・レビュー
優愛
「特別の条件」に酷く共感しました。普通の中に特別があればそれだけで自分に自信を持てるのに。神様は意地悪だね、みなみちゃん。でも決められた場所から羽ばたけるかどうかは自分次第、これは最後に皆が教えてくれたこと。冷たい空気ほど星が輝くように、願う度祈る度皆が一番星になれる可能性が煌めき出していく後半は亮介くんが名付けた幸せそのもの。いつか私は夢を叶えられるかな。こうして"いつか"に夢を重ねられる今さえも大切にしたい。そう思えたのはきっと本当の友情を手にした皆のおかげ。この物語を背景に出会えたことにありがとう。
2015/01/11
風眠
北の大地にぽつんとある中学の分校。生徒はたったの5人。私も小・中学校と、田舎の小規模校に通っていたから、小さい学校特有の嫌なところとか、とてもよく分かる。大人になってしまえばどうってことない、多感な時期のあれやこれや。でもその渦中にいるときには、そのひとつひとつが重大事だったな、なんて・・・。この物語の中学生たちは、ほかの子のダメなところも良いところも全部認めて受け入れていて、ちょっと出来すぎなんじゃないかなと思うところもあるけれど、大人になっていくごとに薄まっていくひたむきさを、私に思い出させてくれた。
2014/05/02
アメフトファン
人間一人一人、みんな素晴らしいなという事を気づかせてくれた本当でした。ここで出てくる新米教師と五人の生徒達。それぞれが現状への苛立ち、悩みを抱えながら仲間に支えられ、あるいは自分が強くなり乗り越えていく。最後は人の心の美しさに涙が止まりませんでした。嘘つきは優しさの始まりですね。
2014/06/20
けい
北海道の中学校の分校を舞台に、新任の社会科教師と生徒5人の胸の内を描く6編からなる連作短編集。6人それぞれがそれぞれの思いや悩みを抱えながら、ふれあっていく毎に成長していく様子を綴ります。大人であって子供な、子供であって大人な、微妙な年代の心理を結構リアルに描いていたのではと思います。遥かに過ぎ去った懐かしい日々を思い出しながら読みました。
2014/05/26
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北海道のある田舎町にある分校での物語。村に対する不満や、思春期ならではの悩みなど、時には先生、時には子どもたちの目線から物語は進みます。ものすごい感動的な話があるわけではないけれど、日々当たり前のように生活出来ている幸せ、特別なんかじゃなくても良い…普通であることが幸せだと、そんな温かい気持ちを思い出させてくれるものでした。私自身ももう22年も生きてきたと思っていたけれど、まだまだ始業前のひよっこですね。もっともっと挑戦したいことがある。目指す場所がある。まだ22歳だ、出来ることがあると勇気づけられた。
2014/09/15
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