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御松茸騒動

御松茸騒動

御松茸騒動

作家
朝井まかて
出版社
徳間書店
発売日
2014-12-10
ISBN
9784198638887
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御松茸騒動 / 感想・レビュー

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yoshida

頭が切れるが煙たがれる存在である尾張藩士の小四郎。出世を窺うも、上役から疎んじられ江戸詰めから御松茸同心に左遷される。当初は腐りかけていた小四郎だが、徐々に松茸の生育に打ち込んで行く。単純に松茸の話しではなく、為政や生き方、働き方にも光を当てた良作。徐々に小四郎が老成していく姿が良い。山のため、山郷の領民のために行ってきた小四郎の行動がやがては藩を潤すことに繋がる。尾張藩主であった徳川宗春の英邁さが、徳川幕藩体制の根本を揺るがすため、若くして蟄居させられたことが興味深い。小気味良く唸らせられる作品です。

2017/10/21

射手座の天使あきちゃん

初・朝井さん どえりゃあ、面白うていかんわ(笑) 少しばかりの頭の良さを鼻にかけ鼻持ちならない鼻つまみ者の若侍・小四郎が国許(くにもと )の御松茸同心に左遷されることで始まる愛と笑いと感動のドタバタ劇 尾張弁がいい味出してました 皆さんも読んでちょー!(笑)

2016/05/21

hiro

初朝井まかて作品。堅物で辛気臭く青臭い、江戸育ちの尾張藩士の榊原小四郎が主人公。その小四郎が左遷させられ御松茸同心として、尾張の山で人として成長していく成長譚。一方、小四郎と対照的な、緩い「三べい」たち太平の世の侍、そして実母の妹で育ての母の稲がいい味をだしていた。さらに、テレビの時代劇ではいつも悪者にさえている御三家尾張藩が舞台で、それも‘松茸’が話の中心というのがユニークで、大変お面白く読むことができた。きっと、映画化させたら面白いと思う。次の朝井作品は図書館で予約済みの『阿蘭陀西鶴』を読もうと思う。

2015/03/15

ナイスネイチャ

図書館本。御松茸同心に任命されて、故郷尾張の不作を打開する若き主人公榊原小四郎。左遷されたと腐っていたが・・。時は徳川吉宗の時代で、倹約令に反発した尾張城主徳川宗勝の思いなど、違った見解が面白かった。

2015/09/23

のり

若年の尾張藩士・榊原小四郎は、江戸藩邸で怠慢な上役に幻滅していた。己の力で出世し、財政難を立て直そうと志すが、堅物で人付き合いの無さや嫉妬で上役に煙たがられ、「御松茸同心」として尾張の山奥に飛ばされる。年々、収穫数も減っていくが江戸藩邸からは、献上物として次々と要求される。虫も嫌いで、山や松茸に関しても全くの土素人の小四郎は現実に押し潰されそうになるが、村人の強力もあり奮闘する。様々な規律や難癖を乗り越える事が出来るのは、「心・信・忠」の思いである。三べえの存在も大。

2018/03/28

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