恋形見 (文芸書)
恋形見 (文芸書) / 感想・レビュー
いつでも母さん
長女に生まれたおけいさんの反物屋二代目繁盛記。哀しい位に強くて一途な女・おけい。30年も前の恋しい人から貰った櫛が四十路を過ぎ似合うのは、お守りとして、心の糧として、お店を江戸一番の大店にと誓ったおけいの真心が、ぶれずにあったからではなかろうか。お店の主としての矜持がちと上手くいきすぎるとは思いつつも、「がんばれ、おけい」と最後まで読ませてくれた。
2016/01/08
わんこのしっぽ
山口さんの小説初読み。文章はエッセイ同様読みやすいのでサクサク頁が進む。話の展開もサクサクと…(^^;欲を言えば心情をじっくり書いてくれるともう少し話に深みが増してくる気がするんだけどなぁ。
2016/06/16
美月0217
実母に愛されないおけい・・11のとき隣のお兄ちゃん=(愛しい人)にもらった言葉と櫛が心の支えとして店を大きくしていく・・気丈で、でも愛情深いおけいはかっこいいと思いました。男性みたいにかっこいいけど女性として一途なところも良かった。
2016/02/02
007
★★★☆☆ 「月下上海」で清張賞を受賞し、食堂のおばちゃん作家として脚光を浴びた山口恵以子氏の新作。太物問屋を引き継いで度胸と商才で大店にのし上げた女の一代記。ジェットコースター型時代小説。確執とか憎悪といった負の感情が渦巻いているので読み心地はあまりよくない。文章も少し乱暴に感じた。
2015/02/16
to boy
主人公おけいのお店にかける思いがかなって安心して読めた一冊。でも、おけいは幸せだったのかな、人の人生の幸せって何なんだろうとも思いました。橘屋の最後も人としての幸せを考えさせれれますね。江戸時代の一商人の話なのに人の幸福って何かを考えさせられました。
2019/01/15
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