日本戦後史論
日本戦後史論 / 感想・レビュー
おさむ
「街場のアメリカ論」と「永続敗戦論」のぶつかり合いといった趣の対談本。両者に通じるのは、米国は国家としての日本に愛情を持った事などなく、自らの国益しか考えていない。長期化した対米従属主義により、日本に蔓延したことなかれ主義と一種の自己破滅願望。そして安部政権に対する厳しい視線ですね。
2016/01/14
壱萬参仟縁
対談集。白井先生:愛国心は、ならず者の最後の避難場所という警句があると紹介(5頁)。 右傾化と金儲けの親和性(56頁~)。やらしい共犯関係だね。立命館大学が、絶命館大学(108頁)と揶揄されているが、一流大学だからなんとか変革してほしいと思う。内田先生:安倍首相は人格解離しているという(202頁)。白井先生:晋太郎の話が出てこないのはなぜか?(204頁)
2015/08/18
いろは
反安倍で有名な内田樹。しかし、この作品は、支持安倍の人も反安倍の人も、また、私のように歴史の知識がない人でも読んでいて大変面白い作品だと思う。それはもしかしたら、対談相手の白井聡のお陰かもしれない。何事も反対すると感情論になると言うが、この作品は、冷静で知性があると言える。そして、私がこの作品で最も好きなところは、内田樹が自身に心理的に「ねじれ」があると言っているところだった。日本の『北朝鮮化』の話題では笑ったが、「ねじれ」を認めているのが好ましい。それにしても、日本に、安倍に、政治に、より知性を求める。
2018/11/09
onasu
日本は戦争に負けた割には、幸運な巡り合わせで、これまで充分過ぎるほど上手くやってこれた、てのが前世紀末時点。 そこから内外共に諸々の変化があった。だから、現政権も戦後レジームからの脱却なんて言って、その変化を捉えてはいるのだけど、そのとらまえ方が怪しい。 何をしようとしているのか、そして何を目指しているのか。本邦は、本邦の者が守っていかなくてはならない。しかし、相手のあることで都合のいい解釈は禁物だ。 お二方とも、4月から京都の同じ大学にお勤めとか。近くだったら、講義に潜り込みたいな、なんて。
2015/05/08
おおにし
内田先生と白井氏の対談は予想通り面白く、上質な話芸を堪能した満足感がある。だが、単に読み終えただけで終わってよいのだろうか。内田先生はあとがきに「読者の知性を信じる」と書いているが、お二人にインポ・マッチョで人格乖離と批判されている安倍首相の暴走はさらに加速している。このまま手をこまねいていてよいのか、私に出来ることは何だろうかと読後だんだん気持ちが重くなってきた。韓国ではこの3年間に内田先生の本が10冊翻訳されたそうだ。もしかして韓国人の方が今の日本が抱える問題の本質を理解しているのかもしれない。
2015/04/18
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