無限のビィ (文芸書)
無限のビィ (文芸書) / 感想・レビュー
紫 綺
3.5cmの分厚さ、しかも二段組にも関わらず、面白い!!というのも、朱川さんお得意のノスタルジック要素を織り混ぜながらのSFという組合せだったからか…(笑)。「宇宙からの物体X」ばりのホラーっぽい感じがドキドキの一冊!!
2015/07/11
kishikan
朱川さんらしいノスタルジックなホラーファンタジーの大作。足掛け5年「問題小説」に連載されただけあり、読み応え十分。多くの人は知らないと思うけど、昭和30年代の国鉄三河島事故を題材に、体と心の分離、幾世代にもわたり寄生によってしか生きてきた、つまり死という概念のない生き方を続けたエィとビィ。そして、現世に生きる少年信吾の純粋な気持ち、友情、愛情。そんな世界観が描かれている名作。一つだけ難を言うと、連載小説なので各章だぶった表現があちこちあるのと、各章が異なる登場人物の視点なので、馴染むののが大変。でも満足!
2015/11/03
けい
2段組600頁超、このパターンは正直・・。意外に軽めな文章にホッ。朱川さん得意の昭和40年代の雰囲気を細かく描きこみながら、無限の存在(神か悪魔か?)を通して、人の弱さ・儚さ、そして強さを描いていく物語。読み終わった後は、有限の存在である自身の身が、少しありがたく感じたりもしました。物語の設定としては、他でもあるかも?っていう感じですが、時代背景、嫉妬心の描写など、著者らしい描き方で、懐かしく、楽しく読む事ができました。
2015/06/20
みかん🍊
朱川さんらしい昭和ノスタルジックなSFホラー、人間の魂を追い出して住み着く無限の命を持つビィ、美人の産休助教師の中に入って赴任した町で次々と起こる悲惨な事件、本当にこんな怪物がいたら恐ろしいが普通だと思っていた人が突然起こす異常な殺人事件、現代の事件を見ていると本当にビィがいるのではと思うような、人間離れした犯罪が起こっている、人が有限の命で去って行くのは悲しいが、無限の命でいつも取り残されるビィも悲しい。
2015/05/19
そのぼん
小学三年生の少年が主人公の物語でした。不思議な能力を持つ彼が住む町で、数々の不審な事件が起きて・・・。人から人へ乗り移る得体の知れないものの正体は何なのか。最後に明かされる真相は衝撃でした。京極夏彦先生の作品と勝負できそうなくらいの分厚さの作品ですが、最後まで飽きずに読めました。全体的に流れる昭和の雰囲気と、陰鬱さはなかなか面白かったです。
2016/02/07
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