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勁草 (文芸書)

勁草 (文芸書)

勁草 (文芸書)

作家
黒川博行
出版社
徳間書店
発売日
2015-06-09
ISBN
9784198639570
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勁草 (文芸書) / 感想・レビュー

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ナイスネイチャ

図書館本。今回はオレオレ詐欺がテーマ。完全分業制になってる組織でこれじゃあ撲滅出来ないなと。銀行や中古車買取業者などセキュリティー強化している現在の実状も勉強になります。警察側との駆け引きなんかもテンポよく、すらすら読めました。面白かったです!

2015/12/30

hiace9000

黒川クライムサスペンス、スピーディに渦巻き展開する圧倒的リアリティの波濤は圧巻! 悪が悪を招く犯罪者側のバディ、地を這うが如き地道な捜査に徹する警察側のバディ、互いの関係性を会話で描き上げるお馴染みの手法は映像化うってつけ。映画原作にも納得。手を染める詐欺行為の曲解と正当化は弁護を避けたいが、矢代という真っ黒なワルに絡んだばかりに、限度があったはずの箍が外れに外れ、元には引き返せぬ深みに嵌っていく橋岡の顛末も読みどころ。「勁草」の本意から転じた、"しぶとく足掻く"悪人と"しぶとく張り付く"刑事をご覧あれ。

2023/11/12

あすなろ

おれおれ詐欺とそのバックグラウンドを描く、変わらず品のなさを上手く描く黒川氏作品。品のなさを描くと、という下りは、賞賛している言葉。関西の底をさらうかのような描き方が上手い。ちょっと中盤より前あたりが散漫な印象があったが。どちらかと言うと、バックグラウンドの方が頭に入ったかな?現代らしさ満点のアンダーグラウンドの世界や問題を描く黒川氏作品は、やはり手に取り読んでしまいます。

2015/12/26

starbro

黒川博行に関しては、昨年から新作をコンスタントに読むようになりました。本作はオレオレ詐欺をかなりリアルに書き込んであり、一気読みしました。但し、ストーリーを上手く展開させるためか、大阪府警の対応がかなりぼんやりしている気がします。普通であれば、何度も銀行にアプローチしている段階で逮捕されてGameOverです。警察と犯罪者のイタチごっこですが、オレオレ詐欺はより巧妙に進化・深行して行くのではないかと思います。

2015/06/25

にいにい

黒川博行さん、得意の大阪を舞台とし、大阪弁が軽快な振り込め詐欺等の特殊詐欺グルーフと府警特別捜査班との戦いを犯人側、捜査側から描きあげている。詐欺は、細分化され、ゲーム感覚の部隊も。掛け子、受け子、名簿屋、道具屋、これに金主とヤクザ。貧困ビジネスも絡み生活保護費搾取、弱者の囲い込みで受け子を仕立てる。シナリオも巧妙だ。対する府警も佐竹・湯川コンビを中心に地道な連携捜査。名簿の巧みな「下見」による修正がシナリオに上手く使われる。詐欺の実態・裏が少し理解できた。橋岡の人の善さと落ち方が印象深い一冊。

2016/01/09

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