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北天に楽土あり: 最上義光伝 (文芸書)

北天に楽土あり: 最上義光伝 (文芸書)

北天に楽土あり: 最上義光伝 (文芸書)

作家
天野純希
出版社
徳間書店
発売日
2015-10-09
ISBN
9784198640286
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北天に楽土あり: 最上義光伝 (文芸書) / 感想・レビュー

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巨峰

流石天野さん。北の大地を舞台に戦国末期から江戸のかけての大動乱期をうまく小説にしたなと思いました。妹の尻にひかれる主人公なんだけど、大名といえども、みんながみんな始めから戦好きじゃないよなあー。わきの前田慶次郎なんかも鮮烈な印象を残しています。最上義光といえば、子供のころみた大河ドラマの原田芳雄の印象が強烈で、なんとも男臭くて、何を考えているかわからん野卑な人というイメージでしたが、この小説で覆りました。義姫の岩下志麻はそのままなんだけどなぁw

2016/06/25

とん大西

…渋めですが、最上義光。-戦国末期、山形を本拠に一大勢力を築いた英傑。最上義光-大河ドラマ「独眼龍政宗」で原田芳雄が演じたコワモテの策謀家(これまた古い)。政宗にとって伯父ながら領土拡張に野心を抱き続ける油断ならない隣国当主(お互いだが)。それぐらいの大雑把なイメージでしたが、本作を読むと策謀家ながらも情の深い人やったんやなぁと思います。脚色はあるにせよ肉親だけでなく家臣や民にも慕われていた懐の大きさ。「独眼龍政宗」のスピンオフ、北の地でガムシャラに生きたヤサ男の生涯(配役は高橋一生で)、面白かったです。

2017/11/12

Wan-Nyans

★★★★☆出羽国57万石の大名に上りつめた最上義光を中心に、妹・義、義の息子である伊達政宗と小次郎、義光の娘・駒姫など、戦国の南奥羽を生きた人々の物語。義光は謀略に長けた梟雄として知られるが本作で描かれるのは家族を溺愛し、戦いよりも詩作を好む優しい実像。汚い謀略に手を染めるのは愛する国と民を守る為。その義光をもってしても天下人・秀吉、家康には抗えず付き纏うのは悲運の武将のイメージ。駒姫、息子・義康については知ってはいても涙なしに読めない。最終章、義光死後の再会にも号泣。やっぱり歴史って素晴らしい。

2021/07/22

onasu

戦国期、出羽の名門ながら南奥の争いに埋没仕掛けていた最上家で、病弱だった義光(ヨシアキ)が当主を継いで領地を拡げ大大名となるまで。  これまで義光とは、政宗との対峙や関ヶ原前後しか読んでいなかったが、こんなところに出世物語が潜んでいたとは全くの迂闊だが、勢力拡大の裏には当然ながら犠牲になった者たちもいて、強気一辺倒ではない人間味もおもしろい。先を見る目が最上家を生き残らせるが、中央の勢力と誼を結べば、そこからはまた別の戦いが…。  これで南奥の諸勢力を最近の作品で一巡。その掉尾を飾るに相応しい好著でした。

2019/02/09

マサキ@灯れ松明の火

最上義光…ただひたすらに、家臣領民の安寧を求めて、戦国の世を戦い抜いた男。自らの手がいかに、謀略・戦で血に塗れようとも、家臣を家族を信じ抜いた。だからこそ、人に恵まれ、領民に親しまれていたのでしょう。歴史的に「悪」と見なされても、義光は他の生き方は出来なかったのでしょう。………「大ふへん者」の指物をはためかせての戦場を疾駆する還暦越えの前田慶次郎さんがいい味を出していらっしゃる。

2016/10/16

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