ハルと歩いた (児童書)
ハルと歩いた (児童書) / 感想・レビュー
chimako
スカイエマの表紙がとても良い。青年になる前の少年の、桜を見上げる表情とその少年を見上げるフレンチブルドッグ。裏には奈良の象徴の鹿。空前の犬ブームで犬を家族として一緒に生活している人にはいろんな所がツボになるだろう。小6で奈良に引っ越してきた陽太が卒業式の日にホームレスのおじさんから一匹の犬を託される。飼い主を見つけてくれと。毎日飼い主探しの散歩に出掛け、いろんな人と関わることで世界が少しずつ広がっていく。人間を含めた生き物の生死、震災での原発に関する大人の考えなど作者の伝えたいことが詰め込まれた一冊。
2024/09/17
ぶんこ
2歳の時に病死した母の故郷に越して来て1年。小学校の卒業式の日にホームレスから迷い犬を託され、飼い主を探し始めた陽太。馴染めなかった奈良の町、人見知りだった陽太が、犬と町を歩くことから、様々な人から話しかけられて成長していきました。私は飼い犬を盗まれた事があり、何処でどうしているのかと苦しんだ日々を思い出し、涙が止まりませんでした。陽太君のような、優しい人の手元に引き取られていたらいいな。
2016/06/29
はる
引っ越してきた町に馴染めない孤独な少年が、小さなフレンチブルドッグと出合ったことから世界が広がり成長していく物語。フレンチブルドッグの仕草がとにかく可愛い。犬との生活を通して様々な事に気付いていく様子が爽やか。憧れの同級生の少女も一見冷たそうだけど実は優しい子で、二人のやりとりも読んでいてほっこり。終盤の展開がとても良かったです。
2016/06/23
パグ犬
ぶぶぶぶ…と鳴く迷子の犬を託された少年は、飼い主探しの散歩を始める。それは、母のいない少年の静かな寂しさを癒し、俯きかけた気持ちを前進させる散歩になっていく。フレンチブルドッグの描写が繊細で、日常的に愛情を注いでいる人が書いた文章であることが文面からも感じられる。裏表紙にある著者と愛犬との写真が、この物語の温かみを凝縮しているように思えた。
2017/01/27
tan
始めましての作家さん。スカイエマさんの絵が好きで、今までこの方の表紙絵の本にはハズレがなかったので期待値が大きかったからか、文章の終わりが「~かった。」が続いて読みにくく、子供の作文のようで稚拙さを感じた。児童書なのでそれでいいのかもしれないがなんだか手抜きのようで不快だった。陽太やくるみの性格がいい子のようでひねくれているようでよく分からず。父親をナオと呼ぶとかくるみをミルクと呼ぶとか、その感覚も理解不明。自分がフレンチブルを飼っているから書きたかっただけの話か?ラストが良かったことだけが救いだった。
2020/10/14
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