昨日ヨリモ優シクナリタイ
昨日ヨリモ優シクナリタイ / 感想・レビュー
彼岸花
『詩の礫』より5年。本題名の詩に曲がつき、心にしみじみ伝わる。望郷の念を抱きつつ、そこには帰れない星が多数彷徨っている。お墓に避難(自死)された女性に、胸が締めつけられる思いだ。「孤独死」の三文字が辛く、重くのしかかる。福島原発の事故の終息に、十万年後という、気の遠くなるような日々を経なければいけないのか。皆が泣いている。二度とこのような悲劇を繰り返してはならない。何かにしがみついてでも、生きていくことの厳しさを実感させられる作品だった。明けない夜は無い…10年経過しても、廃炉までの道のりは遥か遠い。
2021/03/10
けんとまん1007
和合さんの詩には、そこに暮らす人たちの息遣いがある。そして、それを肌感覚で伝える和合さんの眼がある。だから、自分の魂に響いてくる。福島の記憶が、時の経過とともに風化し、忘れ去られようとしていると感じることがある。そこには、意図を感じざるをえない。除染と言う言葉は、単に、場所を変えたに過ぎない。しかも、それがわずかの間に、雨の影響などで行方不明にもなっているという。それでも、人は、生き物は、そこで生きているのだ。明日に向かって。それを忘れてはいけない。
2016/06/12
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