卑怯者の流儀 (文芸書)
卑怯者の流儀 (文芸書) / 感想・レビュー
utinopoti27
はみ出しマル暴デカが請け負う「黒い依頼」をテーマにした短編集。カネと女とヤクザが絡むといえば、ありふれたモチーフだけに、扱いが難しいと思われますが、その辺はコミカル寄りで無難に仕上げた印象。その分、黒川博行のようなアクは薄く、柚月裕子のようなカタルシスも無く、褒めどころに悩むんだよなあ。強いて言えば、脇を固める暴力女上司「横綱」と、不気味な女監察官「ゴースト」の強烈な存在感はなかなかのもの。チープな会話センスが気にならない読者なら、息抜きにおすすめです。・・とはいえ、『マブいチャンネエ』はないよなあ(笑)
2018/07/03
いつでも母さん
悪徳刑事もの。だけどこの刑事・米沢を嫌いになれない(笑)いや、好きだ!これはシリーズ化してほしい作品です。かつての部下が今や上司、それも滅法強いと来た。通称関取て・・脇役も個性たっぷりでどんどん読むのが進む。クズなんだけれど自分なりに『ウソをつかないこと』を相手に強いているところが良い。(自分はウソばかりで関取から逃げ切れてないのが笑えてしまう)クズになりきれてない・手を貸してやりたくなる・・愛すべきクズ刑事よ、面白く一気読みだった。深町作家、こういうの待ってました~!
2016/10/25
ゆみねこ
警視庁のマル暴刑事・米沢。彼が変わったのは5年前のある出来事から。後輩だった女性刑事・大関芳子に滅茶苦茶にやられながらも、結果は出す。ゴーストこと奈良本監理官とのやり取りも愉快。ただの腐ったデカではなかったので、米沢の印象は悪くなかったです。
2017/07/04
ちーたん
★★★★☆読友chiruさんからオススメ頂いた連作短編ハードボイルド警察小説!主人公・米沢は50代の中年汚職刑事。ヤクザとズブズブだったり、まとまった金(もちろん汚い金)が入ると女を買いに行くようなとても主人公にはふさわしくない男笑。脇を固めるのは通称『関取』こと元後輩で現上司である大女で男勝りの芳子や『ゴースト』こと警視庁の悪に罰を与える米沢にとって処刑人になりかねない存在の京香など強い女性陣が印象的!下品な部分も多いしみんな口が悪いんだけどコメディテイストでエンタメとして面白かったです!
2019/12/28
GAKU
警視庁組対四課に所属する悪徳刑事米沢英利。ヤクザを始め黒い連中からの黒い依頼を受けては、稼いだ小遣いで風俗、キャバクラ通い。スタンガン振り回しチンピラを失神させ、組長まで脅かす。挙句に同じ警察官にも暴力を厭わない。そんな米沢も身長180cm、元無差別級柔道のアスリートで、”関取“と陰で呼ばれる上司の大関芳子には頭が上がらない。また米沢の不正を疑う人事一課の監察官、ゴーストこと奈良本京香。そんな登場人物達が織りなす連作短編集。シリアスとコミカルが程よい加減で、結構面白く読めました。
2017/02/26
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