月とコーヒー (文芸書)
月とコーヒー (文芸書) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
あとがきにいう「一日の終わりの寝しなに読んでいただく短いお話」が全部で24篇。いずれも事件らしいものは何も起こらず、静かな動きのうちに、いわば淡々と物語が進行してゆく、いつもの吉田篤弘の小説。タイトルの『月とコーヒー』は、まさにこの小説集を象徴する。夜であること。光はあるが、それが柔らかくあえかであること。月の光のように。クールさも必要。読み終えたら消えて行ってもいい。印象もまた強い必要はない。否むしろ、残像だけが残るのがいいのである。振り返ってみると、登場人物たちはちょっと変わっていたな、とふと思う。
2023/10/15
あや
24のお話がおさめられた短編集。 作者があとがきで書いているように、一日の終わりの寝しなに読むにふさわしい物語でした。
2019/04/09
けんとまん1007
吉田篤弘さんならではの世界。ショートソート集。いつも以上に、静けさを感じる文章で綴られている。あとがきを読んで、なるほど・・と、納得。いくつかのものがたりが、「あっ、これは・・・」と。月を眺めながら、珈琲をいただきがら、ページをめくる時間って、いいなあ~。
2021/09/18
リシン
数ヶ月かけて読了した本はこれが初めてだったな。太陽とパンではなくて月とコーヒーなの。「隣のごちそう」がお気に入り。絵のない絵本がたくさん詰まってるみたいでひとつひとつ大切に読んだ。
2023/02/09
おしゃべりメガネ
タイトルにあるほど「月」も「コーヒー」も出てきた印象はあまり受けませんでしたが、吉田さんらしいふんわり&おっとりとしたステキな雰囲気の24作品からなるショートショートです。あとがきに作者さん本人が書かれているように'寝る前に読む'のがオススメで一話一話、ゆったり読んでくのがいいと思われます。何とも言い様のない読み心地の良さとちょっと切ない寂しさが十分味わえます。手元において寝る前に深呼吸しながら、一話だけをゆっくり&しっとり読むのが至福かもしれませんね。しかし、相変わらず吉田さんのサンドイッチ美味しそう。
2022/03/20
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