夜の塩 (文芸書)
夜の塩 (文芸書) / 感想・レビュー
ウッディ
高級料亭の中居として働いていた母が、温泉宿で家庭のある男性と無理心中した事を知らされた名門女子高の英語教師の十希子。婚約者に捨てられ、教師を続ける事も出来なくなった十希子は母の汚名を晴らすため、料亭の中居になって真相を探る。昭和30年代、高度成長期の汚職を描き、純粋な十希子が少しずつ強かな女に変わって行くストーリーは、松本清張の小説を彷彿とさせました。母への想いと糸魚川への愛情は矛盾しないのか、女性って怖いという思いを抱きつつ、地味ながら面白かったという感想です。
2019/06/29
やっさん
★★★★☆ 舞台は戦後まもなく。母の謎の死をきっかけに恋人や職業を失った十希子が、母の死の真相を探る話。まだ女衒が世間に残っている時代であり、十希子の壮絶な半生にあっという間に感情移入。
2019/11/29
モルク
食堂のおばちゃんののりで読み始めたが全く違う!!昭和30年、主人公十希子は私立女子高の英語教師として勤務し、同僚の教師と婚約の運びとなるなか、高級料亭の仲居として働く母が心中する。それにより婚約者は去り、職も追われ、母が勤めていた料亭に勤務し、母の死の汚名をはらすべくを調査する。そして贈収賄疑惑という政界を揺るがす大事件の真相にまで身体をはって迫り…。大胆な行動をとる十希子。十希子がこんなに美しくなければ、男を手玉に取り情報を得ることはできなかっただろうと思うとちょっと複雑な想いがする。
2020/08/18
野のこ
装丁のオードリーヘップバーンのような凛としたお嬢さんが主人公。サスペンスドラマのようで読みやすく、昭和30年のモダンな東京の雰囲気が味わえるのが良かったし、華やかな高級料亭の隠れた裏側がのぞけたのも興味深かった。タイムスリップしてお洒落をして帝国ホテルや山の上ホテルでお食事してみたいって思いました。母の復讐のため男性たちとの関わりに心配したけど、十希子の心が強くてこの先 希望が持てる読みあじ。
2019/05/14
ゆみねこ
濃い目の昼ドラ的な作品❨褒め言葉❩です。名門女子高で英語教師をしている十希子が、突然母の死を知らされる。年下の商社の男と心中したと。母の死に不審を抱いた十希子は母の勤めていた料亭に仲居として働き、真相に迫って行く。高度成長期の少し前の東京の雰囲気も楽しめる1冊。
2019/03/23
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