KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

犬 (文芸書)

犬 (文芸書)

犬 (文芸書)

作家
赤松利市
出版社
徳間書店
発売日
2019-09-28
ISBN
9784198649302
amazonで購入する

犬 (文芸書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

鉄之助

主人公は60代と20代、二人のトランスジェンダーとヤクザまがいの前科者。舞台は”座裏”のプレミア焼酎スナック。座裏とは、大坂・難波の新歌舞伎座の裏通りのこと。この設定で、面白くないはずはない、と思って手に取る。予想通りワクワクする展開だった。老後の資金1000万円を巡る、ハードボイルドタッチの逃走劇にハラハラ。後半は激しい暴力・ハードなセックス描写に目が行きがちだが、私には、本当の意味での安息することが出来る”居場所探し”の物語に思えた。「ホームレス作家」赤松利市ワールドを、今回も堪能した。

2023/07/09

しんごろ

老後のトランスジェンダーの話だと聞いたけど、思ったのとちがーう。バイオレンスだよ。バイオレンス!しかも描写がエグい。しんどかった~。ひでえ話だけど、桜と沙希の絆?愛?が深かったのだけは救われたかな。一瞬だけウルッとしたシーンもあったけど、それにしても、イヤになるほどエグいバイオレンス描写やエログロ描写で読むのに、加えて、あっけないラストに、なんじゃこりゃ~の松田優作もビックリだわ。もう著者の作品はお腹いっぱいだから、読まないな。ただ読ませる力はすごい。

2019/11/24

しんたろー

赤松さんの強烈な世界に引きずり込まれて6作目…本作もエログロ描写は多いし、想像するのも痛々しいヴァイオレンス描写もあって、まるで激辛料理ような小説。とは言え、主人公の63歳ニューハーフ・桜の揺れる乙女心はイライラしつつも理解できるし、老いや孤独への恐怖は身につまされる。桜を慕う24歳ニューハーフ・沙希のキャラも素敵で、二人を応援しつつ先行きを案じてハラハラドキドキ!読む手が止まらない。ラストが簡潔すぎて尻切れトンボ感が残念…数ページで良いので、桜や沙希を登場させるエピローグを創って余韻を高めて欲しかった。

2019/12/06

いつでも母さん

嬲り、嬲られ・・帯が私を離さない(笑)そんなにいいか?安藤が。が正直なところ。甘いあまいよ死ぬところだったんだよ・・そうか、死をも凌駕するのかこの性愛は。まさしく狂乱の疾走劇。所詮男と女のことだもの当事者にしかわからない感情なのだろう。女の幸せって何だろうとそんなことを思った。赤松さんがこちらの嗜好を抉るように突きつける。繋いでいるのは愛なのか?ズタズタになっても縋り付く・・そんな記憶があるか?これでもかと引っ張ってプツンと切れるのが上手い。この放り出された読後感は何とも言えない。

2019/10/25

yoshida

赤松利市さんの作品でも好みは別れる作品だろう。私も途中で読むのを止めようとした。何とか読了。トランスジェンダーに老後の不安を加味した、愛憎劇だと思う。主人公の桜は大阪でバーを経営。昔の男の安藤が現れ金を無心する。もう胡散臭い。従業員の沙希は、母と慕う桜に安藤は金目当てと警告するが聞き入れられず。沙希はある行動に出る。とにかく安藤が酷すぎる。暴力、性格、金銭への執着、全てが酷い。安藤の性的な内容も含めた暴力が読む気持ちを折る。これまでの赤松利市さんの作品に比べれば、内容は浅いと思う。厳しい読書時間だった。

2019/12/15

感想・レビューをもっと見る