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通夜女 (文芸書)

通夜女 (文芸書)

通夜女 (文芸書)

作家
大山淳子
出版社
徳間書店
発売日
2019-10-31
ISBN
9784198649500
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通夜女 (文芸書) / 感想・レビュー

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いつでも母さん

韓国などには葬儀で哭く職業があると言う。これは通夜における『サクラ』なのか・・通夜女。何とも言えない響きの言葉だ。そんな言葉は知らない。通夜女は不幸を背負っていなければならないと言う。悲しみを背負っている事が資格だと言う。24歳、就活に挫折しうつうつとしていた小夜子の成長と再生(再生というのか?)物語だった。通夜女・・ひっそりとだが確かに存在していたのが何とも切なく哀しい。どこかで出会っていただろうか・・

2019/11/19

おしゃべりメガネ

かなりのインパクト大なタイトルが気になり手にとりました。不謹慎といえば不謹慎なんでしょうが、夜な夜な他人の通夜を回るコトが趣味?になってしまった24歳「小夜子」の不思議か物語です。正直、やっぱり扱ってるネタがネタなだけに、イマイチ主人公のやってるコトに同意できず、後半まではちょっと読むのがツラかったのですが、通称'通夜女(つやめ)'の老婆からの一言から「小夜子」は思わぬ方向へ。人の死をどう捉えるかによって、本作品の読み方も大きく変わってくるのかなと。物語にかかわるケーキ屋さんが一番良かったキャラでした。

2020/01/12

ケンイチミズバ

努力しないまま挫折した若者が奇異な行動に陥る。犯罪ではないが、いかがなものか。無関係な他人の葬儀に存在する通夜女となることで自分の存在を確認するのだ。らしく振る舞い、誰一人全くの部外者と思わない。そういう場所であるがゆえに違和感もない。一度の就活の失敗で自分に自信を失い居場所も失う。そして知らない人の通夜の席で存在してもいい自分を見つける。ここにいても誰からも咎められない安堵や落着き。前向きな引きこもりを自覚している不思議な世界。明るいタッチなところがなお不謹慎だ。もっとシュールな世界にして欲しかった。

2019/11/27

モルク

順調な人生を歩んできたはずの小夜子が就職の段階で躓く。面接官の一言に傷つきついには引きこもりに。そんな彼女が見つけたやすらぎの場所が通夜会場だった。見ず知らずの人の通夜に参列し、そこで知り合った「通夜女」の老婆を師匠として崇め教えを乞おうとするが…。老婆、ケーキ屋の青年、ネグレクトの少年との出会いが、嫌っていた祖母の想いや家族の優しさを教えてくれる。赤の他人の通夜に出る勇気は、引きこもりとは思えない。警察でお母さんが放った言葉は警察官をたじたじにし、カッコいい!ささっと読める1冊。

2020/06/13

ゆのん

【NetGalley】就活に失敗しひきこもりになった主人公。勘違いから参加した見知らぬ人の通夜で他人の不幸を感じる事で高揚感や幸福感を得るのが心地良くなる。何とも不謹慎だなと思いながらもコミカルな文章には笑えてしまう。後半に進むにつれ『死』というテーマが全面に押し出されてきて笑えなくなる。いつかは誰でも迎える『死』。『死』を見つめる事で現在自分の置かれている状況、環境に気づきはじめる主人公は他人事ではないのかもしれない。337

2019/11/05

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