人形つかいマリオのお話 (児童書)
人形つかいマリオのお話 (児童書) / 感想・レビュー
☆よいこ
児童書。マリオが操る人形劇『王子さまと貧しい農家の娘』ヤラナイ王子は30歳になっても結婚しない。シナイ王とシタクナイ王妃は姫をつれてくるが、王子は気に入らない。裕福な家の娘を連れてきたが王子は気に入らない。ある日、王子は貧しい農家の娘モタナイに恋をした。この劇は大当たりで、マリオは金持ちになった。しかし、何年も同じ芝居しかさせてもらえない人形たちは糸を切って逃げ出した。▽芸術家の慢心と、友情、自由への渇望をテーマにする
2020/12/21
NAO
貧しい人形つかいマリオの人形劇が一躍人気となり、マリオは大金持ちに。だが、人形たちは、自由を求めて、マリオに反旗を翻す。自由であることの尊さ。名声と金を得たことで本来のあるべき姿を忘れてしまうことの愚かしさ。互いに思い合う友情の大切さ。マリオの話は、人形つかいと人形たちのファンタジーというだけでなく、人間としての大切なことが描かれている。そして、そこには、故郷に戻れずにいるシリア出身の作者の思いが込められている。
2021/06/18
あおい
人気にあぐらをかき同じ芝居を繰り返すのではなく貧しく人気がでなくても素晴らしいお話を作っていた時のマリオに戻ってほしいと操り人形が糸を切って自由に動き出す…人形達と人形使いマリオの友情。たなか鮎子さんの挿絵が素敵。
2023/06/17
ぱせり
「アストリッド・リンドグレーンと並んで、世界でいちばんおもしろい話を作るのは、だれでしょう」お客さんたちは笑って拍手する。「マリオ!」と。わたしも拍手する。「いちばんおもしろい話」には、作者から実在するたくさんの子どもたちへの思い、祈りと希望とがこめられていると思うのだ。
2021/04/16
いよの缶詰め
無名だった人形遣いのマリオ。次第に彼は有名になるも、人形達と言葉を交わすことを止めてしまう。同じ役に飽き飽きしてきた王妃達は鋏を手にした。自由を拒否する王もやがて自ら鋏を手にした。いなくなったことにより自分が間違っていたことに気付かされるマリオ。「初心忘れるべからず」友情、勇気とユーモア。「私達は貴方(政府)の人形じゃない。誰の言いなりにもならない。私達は私達だ!自由が欲しい!」というメッセージが強く込められている様に感じられた。
2021/01/22
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