階段ランナー (文芸書)
階段ランナー (文芸書) / 感想・レビュー
旅するランナー
「階段おじさん」で検索すると、空気階段の鈴木もぐらが出てくる。「階段研究家」だと、松本泰生先生と巡る階段ツアーが興味深い。などと寄り道しているけども、この小説は、JR京都駅ビル駈け上がり大会をクライマックスにして、様々な階段と人生の上がり下がりを掛けた物語である。階段駆け上がりに大事なのは、おしり(大臀筋)とお股(股関節)であるとか、真剣に階段と向き合いながら、メインの舞台が神奈川県であり、卓球や覚醒剤も取りあげられる青春小説なのです。これから人生の階段を駆け上がる若者への応援歌になっています。
2022/06/16
いつでも母さん
【京都駅大階段駆け上がり大会】なるものを恥ずかしながら知らなかった私。本作はその大会を目指して頑張るチームの、汗と涙の根性話あれこれではない(イヤ、結果的にはそうとも言えるのだけれど)人生にはトラブルはつきものだが、この高2の広夢と瑠衣は優しくて逞しい。退職した教師の階段ブログから繋がり、目の前の壁(階段)に挑む姿が他者との競い合いではなく『自分の道を切り拓く』姿として私の心にキラキラと届いた。とても爽やかで心地よい読後感。「王子」とのこれからを応援したい。
2022/04/07
シナモン
とても良かったです。人生の悩みも迷いも階段を駆け上がるように乗り越えていく。階段ってなかなか奥が深い。いろんな階段を巡ってみたくなりました。ラストは「JR京都駅ビル大階段駆け上がり大会」。読みやすく爽やかな物語でした。
2022/02/26
モルク
母が覚醒剤で執行猶予中の広夢と卓球選手の瑠衣。高3の2人は元高校教師高桑「階段おじさん」ブログで階段に興味を持つ。広夢の母の再逮捕、瑠衣の病で夢を失いかけていた時高桑の誘いで京都駅階段駈け上がり大会に参加することになる。お互いが苦しい時あえてその話題からそらさず、そして慰めるわけでも励ますわけでもない。そんな態度がこんな時ありがたいんだよね。目標に向かって前向きに進んでいく姿がいい。ラストシーンではジーンと熱くなった。そして実際のこの大会を見てみたい(決して参加したいとは言わないが)
2023/03/07
ゆみねこ
母が起こしたトラブルで水泳をやめた広夢と、突然の体の不調で卓球のトップ選手への道を諦めた瑠衣が出会ったのは「階段」。元高校教師・高桑のブログと「京都駅大階段駆け上り大会」への挑戦。悩みを乗り越えてまっすぐに駆け上がる二人と、高桑先生と小見さんのチーム。山本くんが良いキャラクター。王子たちの未来はきっと幸せ!お薦め本です。
2022/04/26
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