KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

H(アッシュ) (徳間文庫 ひ 13-1)

H(アッシュ) (徳間文庫 ひ 13-1)

H(アッシュ) (徳間文庫 ひ 13-1)

作家
姫野カオルコ
出版社
徳間書店
発売日
1997-09-15
ISBN
9784198907570
amazonで購入する Kindle版を購入する

H(アッシュ) (徳間文庫 ひ 13-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いたろう

全10編の短編集。「H」は、ホラーのH、法螺のHと紹介されているが、姫野のH、そして何より、俗語で言うところの「エッチ」が一番合っていると思われる官能小説集。しかし、ただの官能小説ではなく、いろいろな仕掛けがあって、思わずニヤリとさせられる遊びに満ちている。「書を捨てよ町へ出よう」ならぬ、「書を読め、町へ出るな」では、主人公が読んでいる本が、ベストセラーになっている官能小説というのが笑える。また、「正調・H物語」のHは平家、エッチな平家物語、源平合戦のパロディ。義経がそんなことを?!というのが可笑しすぎ。

2022/11/05

shizuka

姫野さんだからあまり気にせず読んでみたらば、超絶アダルトな短編集。さらっと流すだけだと記憶にエロさしか残らないけれど、じっくり読んでみるとこれが実によく構成されている。細かいトリックも仕掛けられているし、各話のオチですとんと解決するのもまたいい。上手い。最初の「エンドレス・ラブ」にはまんまと騙された。読み終わってからもちょっと悩んだ。今は「ああそういうことか!」と納得している。なかなか気づけなかったのは、きっと私が女性で、世の男性のような習慣がないからだろう。男性読者の皆様、私の解釈で合っていますよね?

2017/07/23

佐島楓

10篇の短編集。性愛描写がきつく苦手な分野ではあったが、男女の性を突き放して見ている、その視線が鋭利だ。女性が女性を批判的に見ることはおそらく男性より多い。それを感じさせるのが「鞄の中の妖精」。嫉妬と自己愛と「ミア」への愛情が入り混じった、たぶん男性からすれば怖いような世界が書かれていた。

2014/05/02

やいっち

姫野 カオルコの本を読むのは初めて。前から気になる作家だったので(それに、今では死語かもしれないが、女流作家の本を読むのが大好き)、勧められたこともあって、本書を手に取った。タッチ的にはエロ小説っぽい。下手すると、裏ビデオを小説化したのではと誤解されかねない(ちなみに、吾輩はエロ本、春本、大好きである)。そこは、彼女流になのか(ほかの本を読んだことがないので、判断のしようがないが)、ややありふれた男女間の恋愛沙汰を達観したような作家(女)の、同性を見る目の厳しさ、えげつなさもあり退屈はさせない。

2018/01/19

marumo

再読。勝手に姫野祭りです。恋愛の表現というか官能の表現って、上手い下手ではなく相性だと思うんですが、姫野さんのはものすごく好き。思い返せば「受難」の人面相との恋も、「ツ・イ・ラ・ク」の先生との恋も、ラスト数ページでいきなりスパークする恋愛表現にノックダウンされたんでした。こちらも好き好きでしょうが、「正調H物語」の建礼門院さまは凄いです。笑えばいいのか、頬を赤らめればいのか・・。笑いましたけど。

2016/03/20

感想・レビューをもっと見る