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漂流街 (徳間文庫 は 26-1)

漂流街 (徳間文庫 は 26-1)

漂流街 (徳間文庫 は 26-1)

作家
馳星周
出版社
徳間書店
発売日
2000-09-01
ISBN
9784198913755
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漂流街 (徳間文庫 は 26-1) / 感想・レビュー

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くまちゃん

読み友さんのお勧め。不夜城の人だったんですね。初め本の厚さに引き気味だったのですが、面白さに気にならなくなった。主人公マーリオは自分のクズっぷりを誰かのせいにして生きてきた。そして周りを巻き込んで不幸にしていく。途中で好きな人の為には命を張るのか?と思わせて、クズっぷりは崩さない。やるんだったらここまでクズじゃないと面白くないよねw。

2019/11/12

Tetchy

とにかく全編に亘って語られる内容は金とドラッグ、セックスと暴力の連続。憎悪と怒りの応酬だ。誰もがギラギラしており、誰かを利用しようと手ぐすね引いて待っている。この暗黒の群像劇を描く馳氏の筆致はものすごい熱量で読者の眼前に言葉を畳み掛け、叩き付ける。いつの間にか時間を忘れ、ふと顔を挙げると大きく息を吐く自分に気付く。掌は汗をかいているのに指先は冷たくなっている。そんな魔力を秘めている。だからこそ最後の物語の収束の仕方に不満が残る。これほど複雑な絵を描きながら最後で物語を破綻させてしまったと思わざるを得ない。

2012/02/28

まーしゃ

再読 馳星周作品の中でもバイオレンス度はダントツの作品。日系ブラジル人… ブラジルでも日本人と罵しられ、日本では外人と蔑まされ… この感覚は難しいよな かなりのページ数だけども久しぶりの読了。これ20年前の作品か… これを読んでた頃、まさか犬小説で直木賞取るとは思ってもなかったな。

2020/08/17

えみ

金、暴力、薬物、ありとあらゆる犯罪が渦巻く闇の世界。盗みに性の売り買い、殺人さえも喧嘩するかの如く気軽さで起こる。日本のヤクザや外国人の犯罪組織が蔓延り、取引や抗争が次々と発生。日系ブラジル人・マーリオがこの絶望の世界の中で疾走するノワール小説。前後左右、360度どこを向いても敵、敵、敵。信じられる者などいない。味方など皆無。たった一人で他人に責任を押し付け言い訳しながら意地の為、生き残る為に嘘をつき、殴る、刺す、撃つ…殺す。追われる彼の壮絶で凄惨な結末に耐えられる者だけが辿り着けるこの小説の境地とは。

2020/02/16

reo

「不夜城」シリーズから「夜光虫」ときて「漂流街」へ。後になるほどえげつなさに拍車がかかる。ここまでくれば読んでいる方も、変態気味やね。日系ブラジル人マーリオ。出稼ぎ当時は車の組み立てをしていたのやが、そこはそれ何時ものパターンで、まともな仕事なんかは━だと決めつけ風俗の下働きに精を出す。そんなときチャイナマフィアと関西ヤクザとの覚せい剤取引の話を耳にする。こんなクソのような生活から抜け出したいマーリオ、そのヤクと金を持ち逃げする計画を練る。やる!強姦、殺人、逃げる、追われるノワール小説の極み。いやホンマ。

2019/02/25

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