狩野俊介の冒険 (徳間文庫 お 25-4)
狩野俊介の冒険 (徳間文庫 お 25-4) / 感想・レビュー
ヨーコ・オクダ
短編5本収録。ラストの1本は青年になった俊介探偵のエピソード。それ以外は中1の設定。前作の時点でも中学生になっていたけど、今回はちょっと我が出るというか、気を遣いすぎて控え目にしがちやったところが減ってきた感じ?決して悪い意味でなく、成長したなぁ、と。どの事件も、俊介の等身大の観察力、推理力が映える仕立て。大人の事情の部分にもグイッと突っ込むものの、その不安定な部分を野上がうまくアシスト。うちのお気に入りは「硝子の鼠」ある意味ベタなんやけど、等身大の俊介が見事にハマっているのが好ましく思える。
2021/01/27
ともとも
5編からなる短編小説集。俊介が謎を紐解いていく。事件は重いものではないが、俊介にとってはどれも大切な問題だったようだ。個人的には「加古町の消失」が好きかな。「電脳車事件」は俊介の将来が見られてこれもこれで良かった。
2018/01/05
茶々太郎
短編集とのことで、元々軽いシリーズを更に軽く少年向けにした印象。私にとって太田は特別な作家なので、出来不出来は埒外。疲れずに読めるという点では悪くない。
2016/07/15
小物M2
狩野竣介シリーズの短篇集。今までの長編に比べると事件は地味で解決もシンプル。ミステリとしては物足りない部分はあるものの、これはこれでありだと思うし、丁寧な作風は好感が持てる。「硝子の鼠」「雨天順延の殺人」はホームズ的な構成で、犯人が残した些細な手掛かりから真相に辿り着くというもの。ベストは「加古町の消失」。凝ったトリックもさることながら事件の裏に隠された想いがよかった。「電脳車事件」は、番外編ということで雰囲気と時代設定が変わっている。゛電脳車゛というSFガジェットを扱っているのは面白いが、解決は小粒か。
2013/07/19
まりもん
短編5作品の掲載だが、5作目はかなり異質。ジャンヌさえ出ていない大人の俊介の登場。性格もちょっと寡黙っぽい。 最初の4作品は現行の俊介の短編なのですんなり読めます。ただ、短編ということおもありそんなに複雑な人間関係もないので前作と比べて犯人当てがすぐにきてしまう。
2012/04/29
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