龍神町龍神十三番地 (徳間文庫 ふ 3-14)
龍神町龍神十三番地 (徳間文庫 ふ 3-14) / 感想・レビュー
Katsuto Yoshinaga
中南米、中東、アフリカ、東欧、アジアの辺境を主舞台としてきた大船戸が、「僻地の人間関係のしがらみはどろどろだし、気の遠くなるようなむかしの怨念がいまもまだ生きてる」日本の辺境を舞台に、これまでの船戸流の構成と文法で、日本を描き出そうとした一作。地方共同体の歴史、人間模様、顔役、内部対立の物語なのだが、日本の田舎は大船戸が描いても横溝正史的な世界になってしまう。さすがの大船戸も、日本の田舎で叛史と硬派を描くことはできなかった。これまでの大船戸作品とは趣が大きく異なる。迷走時の作品という位置付けかな。
2022/02/05
おぎゃ
やばすぎて最高。田舎のイカれた文化にバイオレンスとセックスと隠れキリシタンの伝承をぶち込んだ。アサヒ芸能で連載してたってのもうなずける。おじさん向け金田一少年の事件簿って感じ。
2021/08/03
Yoichi Taguchi
7-8年前に読んだ本の再読。登場人物のほとんどが無駄死にともいえる亡くなり方をするのは、相変わらずの船戸ワールドだが、日本を舞台にした小説の方が、”どろどろとした怨念”のようなものを強く感じる。最後のエピローグでほんわりした明かりを見いだせるのは、この本と『夢は荒れ地を』くらいか。71歳でお亡くなりになったが、船戸氏がさらに歳を重ねたのち、どのように小説に変わっていくのか見てみたかったな(歳を重ねて穏やかになるのか、より過激になるのか)。
2019/11/24
うちのカミュさん
面白い、けど恐ろしいねコレ。 地方に居るから、この雰囲気少しワカる。 こんな事は無いけど(笑)
e dsks
電子書籍版を購入し読了
2019/10/11
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