黒白の旅路 (徳間文庫 な 21-14)
黒白の旅路 (徳間文庫 な 21-14) / 感想・レビュー
ヨーコ・オクダ
バーでバイトする女子大生・立夏子と店の常連客で中小企業社長の朝永が睡眠薬を飲んで心中…のはずが、死にきれなかった彼女が朦朧としながら目にしたモノは、刃物が刺さった彼の死体。そして、彼女が凶器の柄を握っていた!?そこから始まる彼女の逃亡&真犯人を探すストーリー。途中、行方不明となった義兄を探す会社員・滝井と出会い、互いに巻き込まれたそれぞれの事件の関連性が濃厚に。2人で協力しながら、何とか警察より先に事件の真相に辿り着きたい…最後はギリギリの攻防。どんでん返し的、意外な人物による告白の内容はなかなか重たい。
2021/02/01
浅木原
『国内ミステリーマストリード100』から。心中に失敗して目を覚ましたら、心中相手が殺されていた! という冒頭から「死にゆく人間を殺したのはなぜか」というホワイダニットかと思ったら、それはスルーして人捜し・過去探しミステリーへとシフト。旅情ミステリー的調査行はやや単調でサスペンスに欠ける印象だけど、フーダニットの意外性を形成する社会的テーマが40年前の小説なのに今読んでもあまり古びてないのが美点。その後にもう一段サプライズを用意するサービス精神もいい。ぼちぼち面白かったので他の夏樹長編も読んでみますかね。
2015/02/06
マヌヌ2号
途中まで「いやいやあからさますぎやろ楽勝やな」なんて高を括ってたんですが、完全にやられました。いやぁ、ミステリでこれだけ綺麗にハメられたのは久しぶりだ。読者がどこに注目してどこを見逃すかが、憎らしいほど完璧にコントロールされており、見事に掌の上で踊ってしまいました。誰に対してどういう印象を持つかまで思うが儘にされてるのに「いやいやこれに決まってるでしょwww」みたいな感じのリアクションとってたのマジで裸の王様ですね。恥ずかしい……。徹頭徹尾計算しつくされた、隙がなさすぎて可愛げないくらいの傑作でした
2017/03/05
tagomago
前半は魅力的な謎を提示しながらもなかなか前に進まない展開に煩わしさを感じてしまうがもう1人の探偵役が出てきてから面白くなる。ある人物の過去に引きずられて物憂い気分になりつつも奇怪な展開に目を奪われる。今の時代では流石に驚きようもなそうだがこの時代だからこそできたネタである。故に驚く。殺人の容疑で指名手配されている主人公が飛行機を使って逃亡というのがどうにも引っかかるのだが、これもこの時代だからできた話だろう。それにしてもこの主人公の不憫さには涙なしに見られない。
2022/10/06
Youhaa
見事に騙されました~~!!!!おもしろかった!!だいぶ昔に出版されたにも関わらず、このできとは…!ミステリー小説としてオススメ!
2018/09/13
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