月に吠えろ!: 萩原朔太郎の事件簿 (徳間文庫 く 18-1)
月に吠えろ!: 萩原朔太郎の事件簿 (徳間文庫 く 18-1) / 感想・レビュー
coco夏ko10角
7つのお話収録の短編集。萩原朔太郎が探偵、他にも色んな人物が。もしかしたら本当に会ったことがあったのかも、と時代のあれこれを楽しむ。
2018/05/05
みつき
タイトルだけでもクスリと笑える朔太郎の探偵物語。軽々しく白秋を『ボス』と呼び、マンドリン片手にサラっと推理を披露するお調子者なところ、この時代を闊歩する『青鞜』の女性達との合コンなど、作者の遊び心満載の本です。ワトソン役があの人だというのもファンならすぐにわかるはず!!事件が実際に書かれた詩のモチーフになったかのような構成も面白い。人魚詩社メンバーが当時の作家や作品の批評もしていて、この時代が大好きな私は終始ニヤニヤ!彼らとミルクホールでシベリアをほうばりながら文学談義に花を咲かせたいです。
2013/01/31
青葉麒麟
サラサラと読み易い。だけど、サラサラ過ぎて直ぐに内容を忘れる程薄い。文豪をバンバン出しているけど、個性がないせいか会話文の時に混乱します。こんなに文豪を出しているのに、あくの強い押し出しの強いキャラがいないのが本当に勿体ない。
2018/11/12
kaoriction@感想は気まぐれに
途中から「太陽に吠えろ」のテーマ曲が頭の中で回っていた。山村暮鳥を「山さん」、白秋を「ボス」と呼ぶ萩原朔太郎。朔太郎の行動言動に、冷静かつ厳しく突っ込む室生犀星。よく出来た配役だ。「青鞜」好きな私には第三話「消えた夢二の絵」がよかった。「青鞜」と朔太郎らの「合コン」とは笑えた。全体的には別段、事件!推理!という感じもなく中盤から飽きてしまったが、シチュエーションを楽しむにはいい。この時代や文壇文士に興味のある人にはきっと楽しい。電気ブランにミルクホール、シベリア。色々と楽しそうな「S探偵倶楽部」ではある。
2012/11/15
ロビン
詩人・萩原朔太郎-実際探偵小説を愛好していたーをホームズ役、親友の詩人で小説家だが人間性のいい室生犀星をワトソン役にした軽めの時代ミステリ。朔太郎が美女の書いた下手な詩を褒めるところに文句がある―いくら何でも詩には厳しかったと思うのでー以外は、朔太郎ファンとして小ネタ(タイトルは『太陽にほえろ』と『月に吠える』のパロディだし7話は明らかにホームズオマージュ)や犀星のツッコミにクスクス笑いながら読めた。大正時代の勉強にもなる。『青鞜』の女性たちや竹久夢二、菊池寛、北原白秋なども登場して楽しかった。続篇望む。
2024/10/03
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