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花暦: 花にかかわる十二の短篇 (徳間文庫 さ 11-41)

花暦: 花にかかわる十二の短篇 (徳間文庫 さ 11-41)

花暦: 花にかかわる十二の短篇 (徳間文庫 さ 11-41)

作家
澤田ふじ子
出版社
徳間書店
発売日
2007-01-06
ISBN
9784198925376
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花暦: 花にかかわる十二の短篇 (徳間文庫 さ 11-41) / 感想・レビュー

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犬養三千代

花を散りばめてはいるがテーマは人間の業。人はどうして好意を抱いた人とすれ違うのだろう。 別れであったり死であったり。 この作品はあまり悪に染まった人は少ない。半分と描いてはいるが。。。「雪びより」の邂逅は良かった。

2023/10/18

山内正

子供の歯ぎしりが聞こえる比叡もきっと雪に 二人の子持ちとは 京の弥之助の言葉を思い出す このまま草津の田舎で老いて行くのか 藍紙を買付にやって来る 花畑で初めて話をし翌日花畑で抱かれ 髭の顔で夫に迫られると身の毛がよだつようになり 厠に子供を連れて行くのに嫌気が 厠に鬼がいて赤い紙か青い紙かと 脅す 白紙を荷車に積んで弥之助が 一月振りにやって来た 京に一軒借りてやるいつ来るかと 桜が満開になったらと返事し 今迄の暮しがどんなだったかを知った 二三ヶ月すると子供事も思わなくなった ある日から男の足が遠退く

2021/09/08

山内正

お屋形様の食器を丁寧に洗う 菅沼館は近隣百姓に慕われ すては台所手伝いを 好きな男は山一つ隔てた村外れの 権三 一里の夜道を通う  お社の前を通る時が怖いと 今夜も権三のところへ 見知った男らに身体の具合悪いのかと聞かれ 魔性に取り憑かれてるのかと 退治してやると言って山に入る  すては木に登り塀を飛び降り 人家を過ぎ一本道を山に向かう 髪を前に垂らし芒をくわえ 魔性の姿で走る 沼で水を飲み立ち上がる 数人の男等が襲いかかり  打ちのめす 正体を表すかと待つが 次第に顔色が青ざめてきた

2022/02/15

山内正

兄が城から戻り庭の植込みを母屋へ 妻世津は乱れ箱を置く 妹伊勢は決まった相手に亡くなられ 兄家族と暮らす 朋輩の小平太は娘が生まれ直ぐに 妻に死なれて娘二人で暮してる たまにはと一人着飾って伊勢は 城沿いから町へ 人が振り返る 撫子が綺麗に川沿いに 見とれる 小さな影が横切る水辺の花を摘み 寺の山門へ 再び来て花を選ぶ 足がめり込んだ 慌てて手を握る お母様のお墓に供えようと泥まみれ 名は千江と礼を言い名乗った 毎日の様に出掛ける 千江の家に 私が必要だ二人には 兄が心配してると 兄を説き伏せる千江の為に

2020/09/21

山内正

厠に立ち夜明け前梅の薫りがする 明日まで描き上げ無ければ 二親の様子が気に掛かる 千世は貰い子で、家を継ぐ画才有るかも知れんと仕込んだ 十四で扇絵を描くようになる 奉公人佐助を婿養子に暮らし始める 食事は千世が全てやり夫の世話も 義母の小言が止まない 父親は目が霞むと千世に任す 子供から描き続ける絵に自分の心を 表わせ無いかと密かに描き始める 儂の世話が気に入らんのやと夫が出た 二人が出掛けた後支度して北野天満宮へ向う 石畳を行き桜門を潜り 梅を夢中で写し描く 顔を上げ見慣れた顔に気づく 佐助や女の人と

2021/03/16

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