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暁英 贋説・鹿鳴館 (徳間文庫)

暁英 贋説・鹿鳴館 (徳間文庫)

暁英 贋説・鹿鳴館 (徳間文庫)

作家
北森鴻
出版社
徳間書店
発売日
2011-03-04
ISBN
9784198933197
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暁英 贋説・鹿鳴館 (徳間文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

北森さんの未完の「白鳥の歌」なのでしょう。再読ですがやはり未完でもこの作品が北森さんの代表作となったのではないかと感じられます。明治政府のお抱え建築技師のジョサイア・コンドルが日本に来る事情(ジャーデン・マセソン社からの秘密の依頼)があり、さらに明治初期の日本政府の不安定な事情などがからんで話が発展します。資料などをかなり渉猟されている気がしました。山田風太郎の明治ものも好きですが、この作品の完成版を読みたかった。

2024/02/23

かっぱ

暁英とは鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルが河鍋暁斎から授かった雅号。工部大学校第一期生の辰野金吾、片山東熊、曾禰達蔵、佐立七次郎も登場。鹿児島では西郷隆盛による西南戦争が勃発。銀座煉瓦街を設計したトーマス・ジェームズ・ウォートルスの謎の失踪。失われた設計図。明治政府の重鎮・井上馨、グラバー、岩崎彌太郎など明治史に名を残した人物たちも続々登場する。コンドルが国際商社ジャーデン・マセソン社から課せられた密命とは。未完であるのが残念ですが、読み物として十分に楽しめます。

2015/05/08

RIN

北森さんはどんな結末を用意していたのだろうと思うと本当に本当にこの作品が完結されなかったことが残念で仕方ない。これまでの北森さん作品の良いところをギュッと凝縮したような作品。時は明治。鹿鳴館を造った英国人Jコンドルの目に映る当時の日本の姿が切なくも愛おしい。著者がしばしば描く、人の心や社会が抱える闇が日常とかけ離れたものではなく、誰もが抱える哀しみと強さ弱さとして描かれるところがなんとも哀切を掻き立てる。明治という時代とは一体何だったのだろうと改めて考えさせられる。著者の未読作品を全て読みたいと思う。

2012/08/08

onasu

一気読みせず、あえて、ゆっくり。自分の中で作品への最大の賛辞です。しかも、触発されて、直接作品とは関係ないですが、以前から訪れたいと思っていたコンドル設計の岩崎庭園にまで行ってきました。だから何、ということはないですが、感慨は一入でした。  それにしても、まいったというか、惜しい人を亡くした、と思う他ありません。先日、蓮丈那智シリーズの最終作「邪馬台」を読んで、渾身の一作と思ったのも束の間、本作に出会えたのですから。ファンとして、不注意の謗りは免れませんが、未完での絶筆が残念でなりません。

2012/04/21

りらりら

江戸城無血開場から「江戸」を改め東京とし、年号を「明治」としたまさに激動の時代、ライフラインが整備され欧米各国に並べとばかりにホテルが出来、デパートが出来、鉄道が走る時代の様子を外人の視点で語られたあたりは北森氏らしい。まさに北森作品の代表作と言っていい作品だと思います。作家としてこの1冊を残してだけでも実にすごいと思います。当然シリーズ化された事は間違いないと思う。私はアイコが自分の父が生まれた国を訪れ、どんな一生を歩んだのかを是非とも知りたかった。

2017/05/21

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