先輩と私 (徳間文庫)
先輩と私 (徳間文庫) / 感想・レビュー
徒花
やはり文章はうまい。が、どうしても中盤あたりで中だるみしてしまう……語り部を変えることでそういうところにも工夫している様子が見られるが、どうしても定期的にエロシーンが入るとなると、展開が単調になりがちで、官能小説の場合、そういうところが難しいものだなぁと(そもそも、そういう物語的なおもしろさは求められてないのかもしれないが)。やはりギャグの切れ味などは『姫百合たちの放課後』のほうが良かったかな。
2016/05/02
佐々陽太朗(K.Tsubota)
森奈津子氏はただものではない。理由は二つ。「マイノリティーのどこが悪い」という開き直りとも取れるあっけからんとした性癖カミングアウト。もう一つは水際だった「羞恥」の表現である。私は男で、しかも性的にはストレートな範疇に納まっていそうである。つまり森氏のいう”異性愛者の成人男性であるオヤジ”であるから、社会を単純化して分析した際には圧倒的強者に分類され、弱者である女性、なかんずくマイノリティーである同性愛者を抑圧する存在なのだ。そんな私でもこの小説に思わず笑わされ、同時に悶々とした気分にさせられるのである。
2013/03/02
巨峰
官能小説というか百合系妄想エロ小説。女子大の二つのエロ系文学サークルが舞台。その愛と抗争そして愛欲と調教の日々を描く。同性愛ものは、生殖が絡まない分安心してよめる。やおいはいやらけど(笑)エロではあるが、さっぱりしてる
2011/05/20
古槍新垢
序盤はわりとハードさが目立ってたけど6章→7章での主人公のスーパームッツリ化が激しくて笑った。先輩はこちらもおあずけにおあずけをくらった分そりゃもう可愛らしくて良かったけど、一番萌えたのは仁子だった。アホの子化したあたりの「ま、待ってぇー」が可愛すぎる。しかしレズビアン・セックスの口述筆記とか森先生は本当にぶっとびすぎててオンリーワン。解説が深見でさらに爆笑したが、いつになったら森奈津子チルドレンたちが世に出てくるのだろう? 森奈津子小説を読んでいると自身も官能小説を書きたくなってくるのは自分だけなのか。
2011/05/22
OHta
この作者、非常に楽しそうである(笑)。作者の意図に反して本書は、ギャグ要素が強すぎるためオカズにするには面白すぎる代物に仕上がってしまっている観があり、愛すべき森奈津子ワールド全開であります。女性社会で発生する様々な感情をすべて性衝動に転換してみたらこうなった、みたいな?登場人物がとにかく己の性癖に忠実すぎて腹が痛い。しかしその濃い登場人物がふと口走る一言にハッとさせられてしまう場面もあり、ただのギャグエロ小説ではないな…と思ったりもしましたが、あとがきを読んでただのギャグエロ小説なんだなと思いました。
2017/08/22
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