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月のしずく (徳間文庫)

月のしずく (徳間文庫)

月のしずく (徳間文庫)

作家
浅田次郎
出版社
徳間書店
発売日
2011-06-03
ISBN
9784198933739
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月のしずく (徳間文庫) / 感想・レビュー

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優希

癒しと再生の優しい短編集でした。物語に浸っている時間が心地良かったです。

2023/04/16

shincha

作家の本当の凄さは短編で分かる。浅田次郎さんの短編集。7作品が収められた本書。なんて言ったら良いんだろう。セピア色の無声映画を観ているみたい…どの作品も素晴らしいけど、中国語を勉強中のボクにとっては、琉璃想 が1番心に残った。浅田次郎作品は何回でも読み返したくなる作品ばかりです。

2024/06/27

藤枝梅安

「情けない」人々を描いた短編集。浅田さんは、「がんばっているんだけど報われない人々」を次々と登場させ、人の世の厳しさを描き、その中で生きる人々の優しさ・温かさを浮き彫りにしている。浅田さんの小説は説教くさくないのが一番の美点。「人間って、頭じゃわかってるけど、その通りに行かないから悲しいけど面白いんだよね」という作者の視点は揺るぎがなく、読者は安心してその世界に身をゆだねることができる。なかでも「花や今宵」は二人の男女の哀しい虚勢を山里の桜が優しく包み込むような佳品である。

2012/07/13

aiaimo`olelo

浅田さんはサービス精神旺盛な作家なのだろう。どうやったら読者を泣かせることができるのか全力を挙げてくれているのが伝わってくる。そしてそれは、時には過剰なサービスとなる一面をも内包している。いきなり平手打ちをくらわしたり贈られた腕時計をなげつけたりする勝気な女。怒りを見せずどこまでも優しく尽くす男。鼻白む瞬間もあったが、本作は浅田さんの男としてのロマンが込められた短編集なのだろう。 おなかの子の命を救おうとした『月のしずく』、恋人を想い続けた『聖夜の肖像』、満州での記憶を辿る『琉璃想』でしっかり泣きました。

2022/11/09

まえすとろ

秋の季節になると必ず読みたくなる「小説の大衆食堂」と自称する大人の寓話作家浅田次郎の綴る「女のエゴと男の包容力」をテーマにした7話からなる短編集。氾濫気味の「ベタベタ甘々な恋愛ストーリー」では語ることのできない、恋人、親子の情愛、後戻りはできない人生、孤独、不倫愛など、現代を生きる男女の世相を写す反面、願望に似た登場人物の立ち振る舞いと生き方に強く心を揺さぶられる。表題作の『月のしずく』は童謡の「里の秋」の元の詩を男と女のお話に置き換えた秋の十五夜の月も新たに映える秀作。浅田次郎の短編は外れることがない。

2012/10/09

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