人間臨終図巻1<新装版> (徳間文庫)
人間臨終図巻1<新装版> (徳間文庫) / 感想・レビュー
ベイス
古今東西の著名人の「死に様」を死亡年齢ごとにまとめた本。奇本といえるかもしれない。1巻は10代から49歳まで。若くして死ぬ原因にいかに結核の多いことよ。梅毒も目につく。自殺、他殺、処刑も多い。山田風太郎に初めて接したが、短い文章の中に人生がギュッと端的に記されていて実に興味深い。全く知らない人物も多く、知識の「すき間」が埋まっていくような快感もある。それにしても49歳までで既に相当な人物が登場した。彼らの人生の燃焼ぶりと、自分のそれとを比較したとき、なんともいえない気持ちになる。
2023/07/22
ビブリッサ
裸一貫で生まれ、焼かれるときは衣一枚着せてもらえる。どの人間も、死出の旅路に持って行けるものはこれだけだ。十代から49歳までに亡くなった人々の臨終の一コマを紹介している。一人半頁か長くて3頁、死に赴く人への風太郎先生の情と炯炯とした眼が窺える。まだ若いと言える人々の死はその無念が伝わる。生きていればどんな功績を残したろうと想像する(犯罪者もいるので全員ではないけれど)。侍と言われた人の潔い決着に、やはり武士道教育されているものは違うのか、と。新撰組や赤報隊などが余り好きではない理由は、この潔さがない点だ。
2017/08/06
鱒子
亡くなった有名人を年齢順に並べ、最期の様子にスポットを当てた本。冒頭の最若年は、八百屋お七&大石主税。しかし、今の自分と同じ歳で亡くなった人が気になって、そこから読みはじめました。なんだか自分がちっぽけに思えますねぇ、比べちゃいかんのだけれども。
2021/06/25
Sam
こんな酔狂な本を書くなんて・・と驚いたけど、読んでみて(不謹慎ながら)面白かったのでもう一度驚いた。文字通り古今東西の有名人(?)の臨終が15歳から49歳までの年齢順に描かれる。悲惨な死が多いのも事実だが、でもいまみたいに病院でたくさんの管に繋がれて、生きてるのか死んでるのか分からないような状態で死ぬよりは「人間的」って捉え方もできるのかも知れない。それと、ときおり筆者の想いや批評が書き添えられているところがまたよい。体制に与しない気骨のある人であったことが分かる。思わず「人間臨終図鑑2」へ。
2021/07/15
かのこ
去年読んで凄く面白かった人間臨終図巻。通読したいけれどいかんせん読むのに時間がかかるのでKindleで購入してじっくり読むことにした。Iは15歳で死んだ八百屋お七から49歳で死んだ山下清まで。若い死は語る人生は少ないはずなのにドラマに溢れ激烈。目下再読に励んでいる蒼穹の昴シリーズで描かれる愛新覚羅家の子孫、愛新覚羅慧生の死はエピソードをもっと知りたくなる。幕末の志士や文豪もこの巻で多くの登場を見る。
2021/10/17
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