沈黙の森 ((徳間文庫))
沈黙の森 ((徳間文庫)) / 感想・レビュー
HANA
ヤクザから五億円持ち逃げした男が軽井沢に潜伏。それを巡って血で血を洗う争いが勃発する。兎に角人が死ぬ、頁を捲る度に次から次へと死んでいく。ノンストップバイオレンスアクションという感じで、最初から最後まで血が流れっぱなしである。一方で引退したにも拘らずその事件の渦中に巻き込まれていく伝説のヤクザである主人公や現金を追うヤクザ、事件を追う刑事などのキャラもしっかり立っていて、この辺りの関係は目が離せない。その他のキャラはほとんどが登場早々、長く出ても数十頁で死んでいくけど。吹き荒れる暴力の旋風を楽しめました。
2024/03/06
巨峰
妙な笑いのある残酷暴力小説。ばったばった人は死にます。男性陣はおっさんたちはひかっているが、若いのはほんと駄目ですねw悲惨な目に合うためだけの登場したような女性の扱いは更にひどいけど。読む人が読めばスカッとはすると思います。
2021/03/14
Tetchy
軽井沢と云えば皇后家ゆかりの地。ここにはやくざはおらず、その手の取り締まりも厳しいそうだ。本作では5億円をやくざから持ち逃げした投資ファンドの男を追って東京から極道が、中国系マフィアが大挙してくる。馳氏に掛かると閑静な富裕層たちの避暑地も血で血を洗う修羅場となる。今までの馳作品は複雑な構図を持ちながらも、結局最後はとち狂った主人公による大量殺戮で敵味方関係なくぶち殺されていくプロットの破綻とも云うべき流れだったが、本書は逆に明確に目指す所に向かっていくシンプルなところがいい方向に出ているように感じた。
2014/03/23
keiトモニ
主人公の内面がまったく描かれていないことから“本書後半に激発する暴力は「ヒーローによる正義の鉄槌」にも見えるし「元ヤクザの暴力本能のめざめ」にも見える”と霜月蒼氏解説にあって、私もそう思うのです。それにしても激発する暴力で収まらない程人が死にますね。通常業界では警察官殺害はご法度と言われているのに関係ない様相に唖然。主人公“五人殺しの健こと田口健二”は、軽井沢で20年近くおとなしく別荘管理人で喰っている。しかし悲しいかな元マル暴、周りが放っておかない。また堅気のカメラマン馬場紀子嬢も、巻き込まれて憐れだ。
2022/10/29
しーふぉ
皇室所縁の土地ということでヤクザがいない土地軽井沢に金に釣られて集まる東京や周辺のヤクザや元ヤクザたちと警官たち。馳星周らしいスピーディでバイオレンスな物語。
2017/01/24
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