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桜大の不思議の森 (徳間書店)

桜大の不思議の森 (徳間書店)

桜大の不思議の森 (徳間書店)

作家
香月日輪
出版社
徳間書店
発売日
2012-10-05
ISBN
9784198936105
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桜大の不思議の森 (徳間書店) / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

現代を感じさせないように書いているという読後感でした。もちろん人々の生活はそれなりに現代風ではあるけれど、自然に依存し、自然の神々とともに生きていくという心情は、もはやどんな山奥にも残っていそうにない。ケンヤのエピソードは、現代を背負って傷ついた子どもが、自然にあふれた村の中で再生していく物語として感動的だが、果たして私たちがそんな共同体を残したり生むことができるのだろうか。この物語をノスタルジーで終わらせたくないと、切に思った。

2013/12/31

りゅう☆

『黒沼―香月日輪のこわい話』の桜大ももう13歳。黒沼村での日常が描かれている。何にもない田舎だけど景色や食べ物、綺麗な水、昔ながらの伝統や行事を四季折々感じることができ、懐かしさがある。たくさんの不思議を見たりできる子供たちは純粋無垢で、その純真さに心洗われる。いつも味方のセンセイの言葉に感銘を受け、彼の友達で霊能力者ソラヤも他の作品に出てるみたいでそんなリンクも嬉しい。黒沼村を受け入れ、美しいと感じたケンヤの澄んだ気持ちの変化が、桜大のもっと広い世界を見たいという気持ちに繋がってきたことがよかった。

2016/06/22

mocha

香月日輪さん、もうすぐ一周忌。web連載のものをふくらませて書籍化とのことで、前半は遠野物語のような味わいのあるショートストーリー。後半はセンセイや転校生などが絡む香月さんらしい話になっている。黒沼という村落の四季折々の自然、ちらちらと見える不思議な事ども、謙虚に営まれる人々の暮らし。日本の原風景が美しく描かれている。

2015/12/06

ひめありす@灯れ松明の火

黒沼はいつも、不思議。不思議な物は不思議な物で、時々感じられる物は本当は身近にあるけれど、普段は見えないもので。神様も自然も人も、自然と大人のおっきな愛に見守られてすくすく生きているふたり。香月さんのお話はどれも真っ当で正論で、読んでいると少し背中がむず痒くなってしまうような、大慌てで背筋を伸ばしてしまうような、そんな文章です。ただ、最後の後書きがちょっと説教臭かったと言いますか、そこは別に言葉として語らなくても、読んだ人間が『そういう物だよね』という風に感じる事のほうが、大切なのじゃないかと思うのです。

2012/12/28

ヒロ@いつも心に太陽を!

読んでいて、不思議がたくさん起こるけれどそれをとりたてて恐ろしいこととは思わず、怖いこともすべてひっくるめて受け入れるものであり、自然と心が暖かくなるような話だった。こんな日本の原風景にとても憧れる。祈る姿は美しく、真剣に祈ればそれはきっと通じる。人間には知恵と技術があるが、だからといってすべてが人の自由になると傲ってはいけない。自然には、この世界には人間より大きな力を持った存在がいて、それを人々は神と呼ぶのかもしれないが、そんな存在を畏れて、敬う心を持った方がいい。私も、そう思う一人だ。

2013/01/04

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