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エヴリブレス (徳間文庫)

エヴリブレス (徳間文庫)

エヴリブレス (徳間文庫)

作家
瀬名秀明
出版社
徳間書店
発売日
2012-11-02
ISBN
9784198936204
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エヴリブレス (徳間文庫) / 感想・レビュー

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本みかん

瀬名先生の作品にしては読みやすい。妙にラジオネタが多いのはラジオドラマの原作として書かれたものだからか。懐かしいようで、仮想現実の世界を描いていて、未来を感じられる作品でした。

2022/02/18

isfahan

美しい物語だった。単行本は2008年2月刊行。すなわちリーマンショック(08年秋)の前に書かれた作品であるのに、金融工学、CDS、その後の金融恐慌と投資ファンドで働くクオンツの地位失墜などが全て描かれている恐ろしい先取り本。著者が鋭敏な感覚で科学の最先端と現実世界の接点とを見つめ続けているからこそできることなのだろう。未来を現実に転化する金融工学、今を永続できる仮想空間、そし死んでゆく私たちという生命。3者が折り合う世界の形はどうなるのか。難解な思索が圧倒的に美しい文章で紡がれる。それを読むだけで幸せ。

2013/02/24

おかむー

個々の情景や感情の描写は透明感のある美しいものではあるけれど、交錯する現実世界とバーチャル世界がごっちゃになって最後まで混乱しっぱなし。そもそも現実世界はこの作品中に存在しているのか?ラストでは全てがバーチャルの中であることすら示唆されているし。バーチャルや金融理論に始まりつつ生命とひとの想いに収束する物語はすばらしいものだったが、場面展開の難解さと、感覚的に受け付ける対象が分かれるであろう抽象的な表現が多用されていることによって終始入り込めなかったことが残念だった『可もなし不可もなし』。

2012/12/05

酔花

元々FMのドラマ原作として書き下ろされたためか、情緒に訴えてくるような表現が沢山。瀬名秀明のロマンチシズムと合わさって、甘酸っぱいラブストーリーに仕上がっている。金融工学、仮想空間を軸にして物語は世界の果てを目指して進んでいく。派手な描写は控え目で誰が読んでも面白いと呼ばれるような作品ではないが、良作。エンパサイズとシンパサイズ、サン・テグジュペリ、飛行機と瀬名の作品によく見られるキーワードも健在。

2013/04/18

ジョン・リード

(再読)とてもロマンチックな本。現実世界に疲れたときはこのような本がよい。ネット上に作られた仮想世界と現実を対比させたストーリー。いま読んでいるのが、現実なのか仮想なのか分かりづらく混乱するところもあるが、著者の作品ではよくあるパターン。ときに読者を惑わせることで話に引きこんんで行くのは、シンパシー(共感)とエンパシー(感情移入)を小説家としてのテーマとしている所以だろう。自然と物理学、生命とプログラム、伝統と科学などいろんな対比が書かれていて、丁寧に作り込まれた印象。読むたびに発見がある。

2017/04/09

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