パリ警察1768 (徳間文庫 ま 19-4)
パリ警察1768 (徳間文庫 ま 19-4) / 感想・レビュー
まこみん
イヤミスの真梨さんが革命前のパリ、サド侯爵の事件を書いていたなんて。主人公はマレー警部、彼も実在の人物。放蕩貴族を監視する任務だが、復活祭の後日、5年前に醜聞をもたらしたサド侯爵が又事件を起こし、助けを求めた被害女性が高等法院に告訴するらしい。マレーはその醜聞を鎮火する命を受ける。一方、セーヌ川の川岸に惨殺死体が発見される。身元はジャンヌ・テスタルといい、サド侯爵の「悪魔の遊戯」の相手の女だった…。パリの街の泥濘、糞尿悪臭の酷さ、貴族も民衆も心に抱く燻った残忍凶暴性。21年後の革命への示唆も。続編は!?
2020/07/11
アッシュ姉
異色の真梨作品!あのサド侯爵を監視する特殊任務につくマレー警部。彼の性格に興味津々のところ、思いもよらぬ背景が。ほほ~うほ~となるのは真梨さんっぽいような、著者名を伏せられていたら分からないような。おぞましい鬼畜どもと革命前のパリの腐敗と悪臭が漂ってきそうな一冊。読むのに時間を要してしまったけど、堪能できてよかった。
2022/07/28
りゅう☆
1768年パリ。サド侯爵の最初の醜聞で名が知られたある娼婦の惨殺遺体発見。サド侯爵監視担当ルイ警部が弟で助手のトマ、密偵のジュロ、ハーブ売りで密偵のギィたちに力を借りながら事件の真相を追う。一方、少年時にラザール修道院にいたルイ。そこで出会ったエミルはその後予言者となる。グロい臭いがさすが真梨さんと思ってたら、解説を読んでルイ、サド侯爵、1750年に起きた児童集団誘拐事件など実在した史実ということに驚き。そしてルイとエミルの関係の真相にもっと驚き。真梨さんが読み手を騙す作家さんということを思い出しました。
2024/10/23
H!deking
うん、なんか外国人作家の翻訳物を読んでるみたいで最初はなかなか入りづらかったけど、慣れてくるとスピードが上がって最後は真梨幸子ワールド全開って感じでした!タワーマンションと月刊グローブは出てこないけど(笑)なかなかグロい、そして臭い(笑)130
2017/10/12
ミツツ
私が知っていた18世紀フランスのイメージは覆されてしまった!面白かったという意味で。ありとあらゆる悪臭、貴族民衆の悪徳がおぞましい。おぞましいけどそれを覗きたい自分がいます(笑)解説によるとデビュー作孤虫症より前に原型が出来ていたとか。真梨さんぽくない?いえ、やっぱり真梨さんらしい面白さが堪能できました。サド侯爵が登場します。お好きな方はぜひどうぞ。
2017/10/28
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