日輪にあらず 軍師黒田官兵衛 (徳間文庫 う 9-32)
日輪にあらず 軍師黒田官兵衛 (徳間文庫 う 9-32) / 感想・レビュー
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
黒田官兵衛目線で信長、秀吉の戦国時代を映し出す。いずれ劣らぬ時代を象徴する武将ではあるが、やはりその中でも日輪と言えるのは信長ただ一人。秀吉ですらその残照に過ぎず、ましてや自分などそれにすがりついていたただの影でしかなかったと振り返る。そんな勘兵衛の、影として智謀を巡らせた一つの人生に思いを馳せる。正統派の歴史小説として、十分に楽しむことができた。
2021/02/05
ぶんぶん
【図書館】軍師・官兵衛の一代記を描く、信長、秀吉、そした、家康に至る歴史を勘兵衛という稀代の軍師の眼を通して描く。 ひとりの軍師の生きざまに、日輪を戴くという立場が果たして何処にあるかを探るドラマである。 官兵衛の日輪(神)は、信長であったという壮大な帰結であった。 2冊分を1冊にまとめた大作、充分に読み応えがあった一冊であった。
2024/07/12
勝部守
積ん読本だったけど、読み始めたらあっという間に読み終えた。通説とは違った、官兵衛。秀吉との距離感がテーマ。
2015/02/19
Ryuji
★★★★☆荒木村重の有岡城からの逃亡は官兵衛の勧めであった。清州会議の筋書や、小田原征伐のきっかけとなった真田と北条の争いも官兵衛の策略であった。史実は置いといてなかなか面白い小説であった。黒田官兵衛を描いた小説ではどの小説でも小寺政職と豊臣秀吉の二人は必ず出てくるが、どの本も政職のダメさと秀吉の晩年の酷さは共通している(この本もそうだった)。きっと秀吉がそうだったのだろうが、小寺政職はどうだったのだろうか?本の中では本当にどうしょうもない。
2015/01/27
春日
タイトルの日輪とは何なのかとずっと考えながら読みました。最後まで読んで、なるほどそういうことかと。天下を動かすほどの智謀を持ちながら遂に機会が巡ってくることのなかった官兵衛という人の哀しさが全編に漂うような、そんな作品でした。たいへん読み応えあり、長編ですが最後まで一気に読ませました。特に本能寺の変後の秀吉とのやり取りは有名ですが、こういった場面をとても劇的で良い描写をするので、何度も読み返してしまいました。この著者の他の戦国モノも読もうと思います。
2013/12/20
感想・レビューをもっと見る