魔法の夜: 竜宮ホテル (徳間文庫 む 9-3)
魔法の夜: 竜宮ホテル (徳間文庫 む 9-3) / 感想・レビュー
さてさて
『言葉は、傷を覆う薬になり、凍える体をふんわりと包む、優しい羽毛になるのかも知れない』というその言葉の力。そんな言葉が魔法や奇跡を作り出してくれるこの作品。クリスマスの夜には奇跡が起こる、それはまさしく私たちになくてはならない言葉というものが現実世界に見せてくれるいっ時のファンタジーの世界なのだと思いました。同じ舞台設定にも関わらず、前作「竜宮ホテル」に比べて、かなり雰囲気感を異にするこの作品。幾分あっさりと展開するその内容が、逆に村山さんのエッセイを読んでいるような、そんな気にもさせてくれた作品でした。
2021/06/16
ひめありす@灯れ松明の火
いつも優しい魔法と心地よい風の流れる風早の街に、もっともっと優しくて素敵な魔法の溢れる季節がやってきました。そう、クリスマスです。誰もが優しくある事を、諦めなくて済む素敵なホリデーシーズン。忙しなく楽しそうな人達の中、私はここにいて良いのかな。幽霊も人間も妖怪も同じ不安な気持ち。樅の木の暗い木陰の憂い。だけど樅の木の天辺に星が瞬いたら。この世界で誰かが生きていくのに、誰の許可も必要ないんです。もうすぐお休み。そうしたら一緒に、あかいふくをきてしろいひげをなびかせてそらをとぶさんたくろーすを捕まえに行こうね
2014/07/06
hirune
人でも妖でも幽霊でも、起こる出来事をプラスに捉えるかマイナスとして傷ついていくかは自分次第。周りの人達と自分の関わりがどう変わっていくのかも自分の心が開かれているかどうかに左右されるということですね。今回は管狐が可愛いだけでなく、大変重宝な使い魔だとわかりました。あと、昔口減らしで親に捨てられ死んだ子供達の魂が、森をさまよい歩く緑の妖になった話しはラピュタのガーディアン?を思い出しました。http://youtu.be/xuzR0v4o5H0
2014/08/11
dr2006
優しい気持ちになれた❤第二弾はファンタジーが蘇るとされるクリスマスの話。左目で妖や霊を見れる水守響呼は、猫耳のひなぎくと竜宮ホテルに滞在している。響呼は過去に「その能力が大切な人に災いをもたらすのを恐れ、人の輪に入れず、でも本当は人恋しくて寂しくて、誰かに必要とされたかった」と云う。霊が人の傍に寄り添うのもそんな理由からかもしれない。妖たちはその存在理由を理解してくれる響呼に癒される。ホテルは本来泊まる所だろうけど、主な宿泊者が堂々と竜宮ホテルに住んでいると云ってて、ならば竜宮アパートじゃんと思った(笑)
2020/01/27
じょんじょん
2019年読み始めは村山早紀さんの『竜宮ホテル』第二弾『魔法の夜』。ハートフルストーリーで一年が始まりましたが、元旦から駅伝、ラグビーなどスポーツ観戦が忙しく、読書三昧なお正月と思っていましたが、思いのほか読書スピード遅かったです。気に入ったハートフルストーリーだとキャラひとりひとりが好きになって、頭の中でビジュアルに動き出します。それはとても気持ちいいです。聖夜の夜のお話は夢も悩みもつまった玉手箱のようでした。聖夜に合わせて読めばよかった。今作のたちキャラは猫耳娘ひなぎくと猛獣使い娘キャシー、癒されます
2019/01/06
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