風神秘抄 上 (徳間文庫 お 35-6)
風神秘抄 上 (徳間文庫 お 35-6) / 感想・レビュー
翔亀
【中世12】勾玉三部作に続く四作目は、いよいよ中世に飛ぶ。じつは本作を読む予習のため「空色勾玉」を読み始めたら止まれなくなってしまったのだ。しかし、勾玉三部作とは別物と考えてよいだろう。<光と闇>の血脈はもはや繋がっていないからだ。平治の乱から始まる人間臭い歴史小説に堕している、と敢えて言ってしまおう。もう中世なのだから当然だ。しかし、神話に代わって、芸能が導入される。後白河の今様(表題の秘抄は「梁塵秘抄」から採ったのだろう)と白拍子だ。舞と笛という芸能の力が、人間の暴走を食い止める。若き頼朝の↓
2022/03/19
カピバラ
(文庫化につき再読、内容は忘れてしまっていた…)勾玉三部作とはまた違う世界観。平安時代後期~なので、多少戦闘シーンが多く、血なまぐささが少し増えたなあ…とその分、現実味が増していて読みごたえが増していた。舞と笛がハーモニーを奏でるシーンが美しく、幻想的で、さすがは荻原さん!!と感動。烏の鳥彦王も小憎たらしいけど可愛い。さて、朴念仁(笑)の草十郎と気が強いがいじらしい糸世の関係がどうなっていくのか…下巻へ。
2014/07/02
ごに
源氏方の武士で孤独な笛の名手 草十郎が、平治の乱から落ち延びるため必死に逃げ戦う所から始まります。今まで読んだ荻原さんの作品に猛々しいイメージが無かったので、ガッツリ武士の戦が描かれていたのには驚きました。義平の死に魂鎮を舞う少女糸世に出逢い、笛を合せ吹くと天の門が開いて…。勾玉シリーズに出てきた鳥彦王が大活躍で、糸世とのロマンスより鳥彦王の掛け合いの方が面白く思えてしまいました。気になる所で下巻へ。
2015/06/06
優希
面白かったです。平安末期の恋物語という設定に惹かれました。ひとり孤独な若者・草十郎が魂鎮めの舞姫・糸世と出会うことは必然だったのかもしれません。糸世の舞に合わせて草十郎が笛を吹くと不思議な力が生じるのは2人が特異な能力の持ち主だからと言っても良いでしょう。下巻も読みます。
2024/10/04
あおでん@やさどく管理人
【5年弱ぶりの再読】初めて読んだ時は、図書館で借りてから8時間くらいで上下巻を読み切るほど入り込んだ作品。笛と舞の大きな力に翻弄されながらも、少しずつ思いを深めていく草十郎と糸世の姿は、何度読んでも色褪せない。このまま下巻へ。
2019/01/31
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