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願いながら、祈りながら (徳間文庫 い 67-1)

願いながら、祈りながら (徳間文庫 い 67-1)

願いながら、祈りながら (徳間文庫 い 67-1)

作家
乾ルカ
出版社
徳間書店
発売日
2016-12-02
ISBN
9784198941741
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願いながら、祈りながら (徳間文庫 い 67-1) / 感想・レビュー

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相田うえお

★★★★☆17103 「廃校先生」と設定が若干似ているのですが雰囲気は全く違います。来年廃校の中学分校に在籍する先生および生徒の話で、章毎に主役が入れ替わる構成の作品です。どの章も奥行きがあって考えさせられます。田舎という環境から生じるハンデや心の奥底にある負の部分を題材にした深い内容であるため、決して能天気に読めるようなものではありません。でも、唸りながら読ませる系ジャンルとして良作,傑作だと思います。今まで読了した乾ルカさん作品の多くが好感持てます。今後も贔屓したい作家のひとりです。

2017/10/18

佐島楓

僻地の分校に学ぶ中学生たち。自我に目覚め、悩み苦しみ、あがきながら成長していく彼らは、けれどすがすがしい。かつての自分も、幼稚で不器用で、でも一所懸命だった。思い出しながら、ページを繰った。

2016/12/09

dr2006

静かに良かった。過疎が進んだ北海道のとある村にある中学分校に赴任した新人教師の林と5人の生徒の成長の物語だ。投げ遣りな林、生徒達は人数の多い大きな学校の可能性に憧れ、上手く行かない自分の境遇を田舎のせいにしている。一方で教師と生徒との関係は濃やかで、低い人口密度に反し村の住人との結びつきも親く暖かい。分校はあと1年で廃校になるという現実の中、彼らがどう変わっていくのか…。丁寧な心理描写が心に響く、そして北海道の冬の描写がリアルだ。入試問題にも使われたのも頷ける。読む度に思うが、乾さんの文章が好きだ。

2020/02/09

たるき( ´ ▽ ` )ノ

読み始めたら止まらなくなった。教師の思い、5人の中学生それぞれの思い、どれも尊くてまっすぐでグッとくる。『いつか』を自然と思い描けるということは、それだけでものすごいことなんだと思った。当たり前じゃない日々を大切にしていこう!

2018/09/03

ユメ

北の大地の片隅にぽつんと佇む生田羽分校。たった5人の生徒たちにも残酷なまでに人間関係の悩みはあり、たった5人だからこそ、それはぽつりと浮かび上がる。どれもが自分の胸に覚えがあり、教室の中でもがいていた頃に連れ戻される思いがした。でも、5人を見守る教師たちも、そして私も、知っている。「いつか」を夢見られるその時間が、どれほど輝かしいか。時にみずみずしい感性が破けるような思いをしながらも、5人はカシオペヤの形に机を並べ続けた。彼らが自分の北極星に辿り着ける「いつか」を願いながら、祈りながらそっと本を閉じる。

2017/01/28

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