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夢裡庵先生捕物帳上 (徳間文庫 あ 19-4)

夢裡庵先生捕物帳上 (徳間文庫 あ 19-4)

夢裡庵先生捕物帳上 (徳間文庫 あ 19-4)

作家
泡坂妻夫
出版社
徳間書店
発売日
2017-12-01
ISBN
9784198942816
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夢裡庵先生捕物帳上 (徳間文庫 あ 19-4) / 感想・レビュー

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HANA

夢裡庵先生が事件を快刀乱麻を断つが如く解決に導く。話ではなく、群像劇のような趣の一冊。一話目で解決に導く探偵役は次の話では登場人物の一人となり、別の人物が探偵になる、そしてまた次の話は…とどんどん立場は入れ替わり、その様子は手妻を見せられているよう。事件自体は著者のミステリを読んでいると、トリックとかに物足りなさを感じるが、絵に射殺された男とか芝居の一場面に見立てられた殺人、南蛮直伝の錬金術など謎自体は魅力的。何より江戸の情景と登場人物たちの人情が絡み合って、読んでいて駘蕩とした気分になるのが実にいい。

2018/01/10

タカギ

時代小説×ミステリ。夢裡庵と呼ばれる定廻り同心が捕物役なのは間違いないけど、事件を解明する役は毎回異なる。連作形式で、前作でホームズ役だった人物が次の話ではワトソン役になるような趣向。ミステリとして素晴らしいのは当然として、江戸の文化や風物を読むのが楽しい。捕物では夢裡庵先生の人情味の強い判断も多く、ほっこりできる。

2020/01/08

onasu

夢裡庵先生とは、定町廻同心・富士宇衛門の雅号で、この先生、事件の度に関係者を訪ねるのだが、これがまた、隠居の蘭方医(以前先生)から始まって一癖ある者ばかり。これが短編でどしどし繋がっていくのだから、読んでいて楽しいったらない。  後続では、この以前先生、ペテンにころっと騙されたり、他にも呉服屋の隠居の代わりに講釈を聞きに来て覚えて帰るという小僧さん(下手な講釈師より上手い!)、等など。  著者は泉下(09年没)で、初出は四半世紀前なんてのをよくぞ再刊してくれた! 下巻も400頁超と盛り沢山で楽しみ!

2023/03/27

rokoroko

夢裡庵先生が主人公ではなく、異なる人が事件に遭遇しそれとなく夢裡庵がからまる。情緒あふれる江戸物。泡坂氏の独特な雰囲気がこの話を面白くさせているのだなと思う

2018/04/19

qoop

途中までの各編の登場人物たちが実に印象的。不思議な名前と人物像に一瞬戸惑うものの、江戸の奇人伝に出てきても不思議でないと思わせられる妙なリアリティがある。富本の名取で照月さん、蕎麦屋天庵の嫁に入って天照月、てんてれつくさんになった…など、凡百の作家なら怖くて使えない設定だろうな。事件も奇譚のネタみたいで、一筋縄でいかないところが江戸風なのかも… と面白くファンタジーに浸れる。

2018/02/19

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