恋形見 (徳間文庫 や 41-1 徳間時代小説文庫)
恋形見 (徳間文庫 や 41-1 徳間時代小説文庫) / 感想・レビュー
タイ子
江戸の太物問屋を支える女主人の物語と言えば、「あきない正傳」を思い出す作品ではあるが、似通っているところもありながらこれはこれで大いに楽しめる。幼少の頃、実の母親から辛く当たられ美貌の次女と差をつけられて育ったおけい。だが、太物問屋を営む父親はそんなおけいを不憫がり店の後継者として育てていく。隣の住む兄と慕う仙太郎への想いが恋に変わる頃、仙太郎は家を出奔。渡された櫛だけがおけいの生きがいとなる。父亡きあと、商売のアイデアが当たり大店へと変貌。妹の人生、おけいの生き様、終盤で驚きの展開。女も母も強し物語。
2023/07/26
優希
強い芯のある女性の一代記でした。色々大変なことがあろうとも、巴屋を江戸一番の店にしようと奮闘する姿に惹かれます。
2023/11/14
蒼
面白かった。手堅い商売をする太物問屋の娘おけいが、実母からの理不尽な虐待を受けながらも幼い初恋相手仙兄さんのために、度胸と才覚で江戸一の大店に育て上げる物語。「苦労ってぇやつはそれを背負えるだけの強えもんの肩に掛かってくる」仙兄さんからかけられた言葉を糧に、両替商や武家と渡り合うおけいに何か大きな落とし穴が待ち受けているのでは無いかと、ハラハラしながらページをめくる手が止まらない読書だった。食堂のおばちゃんの作者の時代小説は、とても面白かったです。
2019/07/20
ドナルド@灯れ松明の火
山口さんが時代小説も書いていることを知って手に取った。上手だな。非常に読み易くびっくりした。女性時代小説作家として大いに期待する。 お薦め
2018/02/06
ゆき
女性が困難に負けず店を大きくして発展させていくという単純なお話なのですが、どうしてこれがなかなか面白くて一揆読み。応援したくなっちゃうんですよね!
2018/05/17
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