つばき、時跳び (徳間文庫 か 7-10)
つばき、時跳び (徳間文庫 か 7-10) / 感想・レビュー
いたろう
今度、熊本に行くので、その前に何か熊本が舞台の小説を読んでみようと思って手に取った本。著者は、熊本生まれ、熊本在住だったのか。舞台は、現代と江戸時代末期の熊本。両時代を行き来する時間旅行もののSFだが、タイムパラドックスの妙味がある訳でも、特殊なルール、規則性による新味がある訳でもなく、時代をまたがって出会った2人という、SFというより、どちらかと言うとファンタジーの世界だった。熊本が舞台ということでは、現代の熊本と江戸時代の熊本の同じ場所が出てくるのが、熊本をよく知っている人にとっては、興味深いのでは?
2024/08/21
ざるこ
熊本市郊外、広大な日本庭園を有する「百椿庵」に1人暮らす小説家の惇。そこに現れた幽霊と思しき女性は「つばき」と名乗る140年前からのタイムトラベラーだった…。まず、つばきの話し方がとてもしとやかできれい。日本語の美しさを感じる。山頂から見下ろす景色がまったく違っていても140年間変わらず存在する物を見つけた時は感慨深い。2人の初々しい恋と「別れ」の時を迎える寂しさがゆっくりと語られる。決して中身の濃い話ではないけど時間をかけて読みたくなるとても優しい物語。「りょじんさん」の謎が解けたラスト2人の運命は…?
2019/06/11
ごんぞう爺さん
時間を跳び、出逢う二人。そして時間に引き裂かれる二人。百椿庵に仕掛けられた時間跳躍機によって、運命の出逢いをするつばきと惇のラブストーリー。江戸時代から平成の現代へ跳躍したつばきの凜とした美しさ、違う時代でも生きようとする強さ、江戸の時代で惇を向かえる優しさに素晴らしい人だと思った。むしろ、惇の方があたふたして、いざとなった時の男の情けなさに同性として反省すらしてしまう(笑)梶尾さんお得意のタイムトラベル物であるが、本作は物語の「道具」として「素直に良いなぁ」と思えた。
2018/09/22
ひさか
月間百科(平凡社)2004年9月号〜2006年9月号連載のものを2006年10月平凡社より刊行。2010年6月平凡社文庫化。平凡社文庫版に加筆修正して、2018年1月徳間文庫刊。梶尾さんお得意の叙情時間跳躍もの。叙情豊かな時超えハッピーエンドが良い。
2018/03/09
のし
面白かったです。 物語が綺麗すぎな感じもしますが。
2023/04/29
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