絶望の底で夢を見る (徳間文庫 い 69-1)
絶望の底で夢を見る (徳間文庫 い 69-1) / 感想・レビュー
breguet4194q
ルポライターとしての縁や、著者自らの体験を基に構成された内容です。あとがきに「人の人生は、結晶のような小さな体験の積み重ねだ。」と。100%賛同しますが、著者ほどの体験は、ルポライターならではの事で、常人には到底追いつけない深さと広がりを感じます。いずれにしても、自分が普通に生活しているだけでは知り得ない世界を学べる事は、本当に嬉しく思いました。ありがたいです。
2023/11/03
cao-rin
社会の底辺で生きる人たちや、過酷な体験をした人たちの短編ドキュメンタリー。一つ一つは短いけど、どれも重く辛い体験ばかりでやり切れない気持ちになる。程度の差こそあれ、人生は過酷で容赦ない。虐待、自殺、差別、病、障害、災害…。そしてそれらはその人の人生に深く影を落とし絶望させる。それぞれの登場人物のその後が気になる。一筋でも希望を見出していてくれたらと願わずにいられない。あとがきもまた秀逸。
2018/05/06
JKD
絶望をテーマにした短篇ドキュメンタリーなので明るさや軽快さは一切なく、これが現実かと思うとやるせなくなる。様々な理由によってワケあり人になったことに加え、そこにのしかかる深刻な性の問題も印象的でした。こういうリアルな情報はTVじゃ得られないのでしょうね。津波の話も悲しい。タイトルも美しい。
2018/04/15
樹里
石井光太さんが今まで取材したり、インタビューしたりしてきた方々のお話。世の中には色々な境遇の人がいるなぁと、ただただ驚愕するばかりでした。
2019/06/02
lily
短編ドキュメンタリーだが、一話一話が一冊の本にしてもいいぐらい濃い。特に「愛と哀しみの病」でHIVに罹患した夫婦とペットの物語が衝撃。紆余曲折ありながら最後はペットの死をきっかけに再び寄り添い合っていくラストは短いながらも珠玉のドラマを見ている気分だった。仕事で忙しい中でも一人一人との対話を大切にし、何より自分が過ちを犯したことを隠さずに書ける著者の姿勢に敬服する。「過ぎ去った日々を思い出すたびに、懐かしさで胸が締め付けられるような気がした。きっと、その胸の苦しさそのものが人生なのだろう。」
2023/10/02
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