電球交換士の憂鬱 (徳間文庫 よ 23-2)
電球交換士の憂鬱 (徳間文庫 よ 23-2) / 感想・レビュー
そる
めっちゃいい!雰囲気がオシャレ!主人公十文字扉が生まれ育った街のことや、自分が不死身で、生死について考えたりするけど小難しくなく、出てくる人物達が関係希薄なようでいて悪いヤツもいなくて少しずつ助け合えたりして距離感が絶妙で心地いい。エピソードごとの短編で不思議なようなそうでもないようなやっぱり不思議かも、な話。もうタイトルだけで惹かれるよ。「アスカさんがはじめて子供のような笑顔になった。それだけでおれはもう満足だった。決して永遠なんてものはないが、この時間がいつまでもつづかないものかと子供のように思う。」
2019/09/21
Tαkαo Sαito
ひたすら電球を交換して生計を立てている〈電球交換士〉の十文字という主人公の、不思議な雰囲気と温かみがある作品。終わり方がすごく好き。出てくるキャラクターもみんな魅力的で読んでいて気分が良い。電球というアイテムでここまで壮大な物語に広げられる著者に脱帽……
2020/08/09
nemuro
吉田篤弘は、先日読了した『おやすみ、東京』に次いで2冊目。本は作家で選ぶタイプだが、装幀・デザイン、本の手触りなどで選ぶことも少なくない。中でも、クラフト・エヴィング商會(吉田浩美・吉田篤弘の2人の制作ユニット)のデザインは、外れなく優れていると思う。帯に、「謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作短編集」とあった本書。勝手な妄想も加味しながら、余韻を残しての読了。本棚には、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』(中公文庫)など吉田篤弘の未読本が、ジッと6冊待機中。お楽しみはこれから、である。
2020/05/06
エドワード
あけましておめでとうございます。十文字扉は電球交換士。切れた電球を交換する。しかし世界は永遠に切れない電球を求める。その暁には彼の仕事はなくなる。電話交換手、車掌、受付嬢のように。失われゆくものを愛する、吉田さんの物語は健在だ。老舗旅館の番頭は言う「料理が美味しく見える電球が要るんです。」白熱灯という電球が料理を演出していたのだ。バー「ボヌール」に集う人々、活版印刷屋の春ちゃん、謎の男・西園寺。たくさんの麗しい美女。賑やかな事件に彩られて日々は過ぎていく。永遠に続く「人生は理髪です」が気に入ったね。
2024/01/01
もっちー
終始、夢の中を眺めているような掴みどころのない、だけど人情味の溢れる、昔ながらの電球のように暖かい話でした。徐々に古いものがなくなっていく。便利なものや新しいものに変わっていく現代。そんなに慌てて新しいものに変えなくても良いんじゃないかな。昔からの良さもあるんだから、ひとまず立ち止まってみるか…なんてね。感想がめちゃくちゃ、何が言いたいのかわっかんないけど、 ひとまず、お気に入りの本になりました。
2019/02/16
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