鯖 (徳間文庫)
鯖 (徳間文庫) / 感想・レビュー
ゆいまある
紀州を離れた釣り名人集団が日本海に辿り着く。貧困の中細々と漁をしていたが、鯖の加工食品へしこ(若狭と丹後で食べられます。鰯や鯖の糠味噌漬け。これがあったらどんぶり飯がなんぼでも入る私の好物。炙ったほうが旨い)に目をつけた中国資本が入り、生活が一転。終盤になり、エゲツない犯罪小説に。罪悪感、仲間を思う気持ち、破滅願望。後味は悪いので読む人を選ぶ、まさにへしこのような小説。さすが赤松っつぁん(さぬき式の呼び方)。香川出身のスーパーのバイト君が優秀すぎるのが地元贔屓でよろし。汚い話だらけなのにクエ食べてみたい。
2022/09/07
H!deking
赤松さん、前から気になってたんだけど、やっと初読み。いやーこれは面白すぎる!勧善懲悪ものはこの世界に溢れかえっておりますが、この角度はなかなか鋭いです。ぶっちゃけもっと堅苦しい感じの想像して構えてましたが、思ってたよりずっとハチャメチャ系でした。マジかー。凄い人がいるもんだ。読む人は選ぶかも知れないけど、おすすめ!
2020/08/07
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
かつて「海の雑賀衆」と呼ばれた一本釣り漁師達。時代の波に呑まれ、日本海の孤島で細々とその日暮らしの毎日。そんな彼らに降って湧いた起死回生のでかい儲け話。前作「藻屑蟹」でガツンとやられた赤松さん、今回はややマイルドかなと思いましたが後半ガツンとやられました。一癖も二癖もある五人の漁師達、美貌と才覚で男達を手玉に取ろうととする女達。どん底の生活から希望に向かう前半と、一つの歯車が狂い転落へと向かう後半の落差が見事。読後感は良いものではないが、癖になりそうな作家さんです。★★★★
2020/12/05
のり
荒れる日本海で「海の雑賀衆」と呼ばれる一本釣の勇猛な漢達。魚を獲る技術は超一流だが商売に関しては杜撰過ぎる。そんな折、新たなビジネ話が舞込みとりまく環境が一変する。しかし年甲斐もなく色仕掛に溺れる姿は情けなくもあるが、手玉に取る女達の方が何枚も上手だ。鯖もそうだがクエのフルコースは食べたい。
2020/11/04
ω
吉村萬壱先生の解説サイコーやんww 冷凍鯖で頭を殴られたような強烈な読後感てww 「紅星二鍋頭酒」買ってみよかなω 🥃
2022/06/23
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