一億円のさようなら (徳間文庫)
一億円のさようなら (徳間文庫) / 感想・レビュー
小説を最初に書いた人にありがとう
20年連れ添った妻が48億円の資産を持っていたことを今更知ってしまう話。この衝撃的な事実が序盤で知らされる。後は680ページの厚さからもう一度ピークが来るだろうと言う期待が付きまとう。主人公がどうにも魅力がなく、一癖ある人物と匂わせる割には底の浅い人物で好きにも嫌いにもなれず感情移入には程遠い。妻の考え方にもリアリティが無く。680ページ読み切った達成感が救い。
2020/09/26
森オサム
著者初読み。予備知識無く、勝手にミステリーだと思っていたので、変な話でビックリ。主人公と同じ53歳の年に読んだのは運命だったのでしょうか?(笑)。街の描写、食事の描写が詳細で、少々長く感じたのは残念。登場人物にも感情移入出来る人は居らず、ストーリーの先が気になり読み進めましたが、結局何が言いたいのか良く分からなかった。ただ、ウチも25年夫婦をやってまして、子育ても終わりました。主人公の考えに完全に同意はしませんが、ある程度の理解は出来たかな。そういう意味では興味深かったが、物語として余り面白くは無かった。
2021/12/05
タツ フカガワ
加能鉄平は51歳。10年前にリストラされて東京から父の故郷福岡へ。娘・息子は家を出て、妻夏代は弁当工場勤めで家計を助けている。そんなとき、妻が48億円もの資産を持っていることが発覚する。4冊目の白石本は、これまでと同様男と女の物語ながら、鉄平の心の移ろいが設定の面白さと語り口のうまさでぐいぐい読ませます。作中、鉄平が作る即席麺『出前一丁』が妙に美味しそうで一度試してみたい、というようなユーモラスなシーンもあって、大部ながらスイスイと読了。とても面白かった。
2021/11/10
ゆきらぱ
はじめに紹介される主人公鉄平とその妻夏代の暮らしぶりがとても良い。博多の古いマンションでの生活は地に足がついた基盤がある。生協関係の弁当工場で働くという夏代が何より幸せそうだ。しかしこの幸せは夏代が描いて思い通りにしたものなのだと読むにつれてわかっていく。何せ夏代はこんな生活とは無縁の億万長者なのだから。いやー恐ろしい。こんな秘密を持たれていたら・・よくこんなストーリー思いつくものだ。鉄平が開くはちまき寿司のメニューなんかもリアル。最初から最後まで楽しめます!
2021/04/22
しげき
夏代に疑いの目をかけながら読んでいた。しかし実際は夫、家族を愛する心優しい人だったという事なのだろうか。鉄平は最後どういう道を選んだのだろうか。読後色々と考えさせられた。
2021/03/31
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