足りないくらし (徳間文庫)
足りないくらし (徳間文庫) / 感想・レビュー
けえこ
改題本。 元タイトルは「あいまい生活」 おんぼろシェアハウスで生活する訳あり女性たちの話。 「自分という存在が他の人にとって軽いものであることが悔しい」 コミュニケーション下手を言い換えるとそうなるのかも。
2021/05/09
MEKKE
見た目がポップだったので、読み進めて「貧困女子」をテーマにしているとわかって愕きました。 貧困女子って一括りにしてしまいがちだけど、そもそもそのカテゴライズが間違っているんだと思ったし、ここに出てくる女性と自分を比べて、まだマシな方なんだな気をつけなきゃな、なんて思ってしまったことが恥ずかしい。ただ、この問題を解決する術が私には全くわからない。想像力の欠如か、この社会の捩れなのかどちらにせよ悲しい。
2021/10/11
りょう
タイトルから勝手に暮らし系のエッセイだと思っていたら、いろんな事情のある女性のシェアハウスを舞台にした小説だった。産まれるところは誰にも選べない、でも、その呪縛から逃れることが、だんだん、難しくなってるんだなあ。
2021/03/22
toshi
2017年の連作短編集。あるボロボロのシェアハウスに住む女性達を描く小説です。生活保護、強制送還、DV 等、語り手達は様々な問題を抱えており、それぞれを一本の長編にしても問題無い位、ストーリーが良く練られています。また、住人達が必ずしも仲良くなる訳では無く、むしろ逆の方向に行くところが人間社会の縮図を見ているようで興味深かったです。私はあまり出来すぎのハッピーエンドが好きでは無いので、本作の何とも言えないラストが結構好きでした。
2022/01/03
はる美
貧困女子をテーマにした連作短編集。ボロボロな建物のシェアハウスで生活する六人の女性たちは、差別、DV、生活保護、外国人技能実習制度など、様々な事情を抱えている。何も知らず人を断罪するのは、優越感も相まって誰もが無意識にしていることだと身につまされる。 救いがないといえばそういう物語だけれど、それが逆にリアルで良かった。
2022/04/29
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