山田正紀・超絶ミステリコレクション#1 妖鳥 (徳間文庫)
山田正紀・超絶ミステリコレクション#1 妖鳥 (徳間文庫) / 感想・レビュー
中玉ケビン砂糖
幻冬舎文庫の旧版は読んでいたが、刷新しての新装版。常軌を逸した一大スペクタクルな密室トリックであるがゆえ、解説はまさしく「密室」のゆかりで作家デビューの華を飾った阿津川辰海氏。その分厚さには確かにたじろぐが自身も大ファンを公言する氏による「山田正紀ブックガイド」も掲載されているので、本作を里程標として作家・山田正紀を概観してみるのもアリかもしれない。最近、山田正紀や梶尾真治あたりの世代(あるいはそれ以前の「本格」「変格」黎明期の作家たち)のミステリからSFまで、相次いで復刊再刊がされている。
2022/11/04
nemuro
帯に「徳間文庫41年目の本気【トクマの特選!】」。一体全体いつの間にそのような企画が展開されていたのか。不覚である。どうやら様々な作家・幻の名作を一気に復刊する取組み。さすがにその全てに手を出す訳にもいかず、私なりに馴染みの作家・都筑道夫と初遭遇の作家・山田正紀の二人に絞り込み順番に攻略を目論んでいる。さて“山田正紀・超絶ミステリコレクション#1”の本書。KENTOO氏のカバーイラストも魅力的。本文が695頁と結構厚め。長期に亘り飽くなき挑戦の日々。SFかと思いきや肉厚なる本格ミステリ。 これはヤラレタ!
2024/02/18
geshi
ここまで自分に合っていなくて、感性が何一つ動かない読書も珍しく、読んでいる間ずっと「どうしたらいいの?」と思う苦しい時間が続いた。ミステリだと思っていたのに幻想に重心がかかっていて、不可解な事件が次々と起こっても、幻想小説としてちゃぶ台返しをされるのではと危惧してしまう。作品の芯にある「女性は亜天使か?悪魔か?」という問いはミステリ向けではないし、そもそも今の時代にこういう話を復刊する理由が分からない。解決シーンでいきなり刈谷刑事が名推理くり広げるのも、それまでの迷走っぷりと比べて違和感が先立つ。
2021/12/22
Yu。
何者かに院内の何処かに監禁された記憶喪失の女‥ 密室状態で起きた意識不明の重篤患者の自殺‥ 自然発火による看護師焼死とその遺体消失‥ 転落死させられた医師の落下地点の不自然な移動‥ といった数々の奇怪な事件に悩まされ、また患者が亡くなる夜には決まって黒い妖鳥が現れるという曰く付きの病院 “聖バード” を舞台にした奇天烈ミステリー。。とことん盛り込みますね‥ アレもコレもてんこ盛りで、遊園地に来たような感覚になります(*´―`*)
2022/11/11
だんでらいおん
【購入本】本編600ページ超を久しぶりに読んだ。結論まで長かったけど、ふた昔前の本格ミステリーってこんな感じだったかも。半分を超えたあたりで一気読みでした。300ページを1時間で読ませるのはさすがとしか言いようがない。
2021/10/26
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