有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点 (徳間文庫)
有栖川有栖選 必読! Selection2 空白の起点 (徳間文庫) / 感想・レビュー
cinos
高校生くらいで読んでいて、どうやったのかすっかり忘れていたのでシンプルなトリックに驚きました。新田がひどすぎます。有栖川さんの解説がよかったです。
2022/02/20
HANA
崖から墜落した男には多額の保険金が掛けられていた。ただその受取人は現場を走る列車の中からそれを目撃するという鉄壁のアリバイが…。探偵によりだんだん明らかになる事件に連なる過去も興味深いがやはり印象に残るのは第一の事件のトリック。第二の事件のトリックは簡単に推測できるけど、第一の方は本当にわからず解き明かされた時は私の大好きなトリックで狂喜乱舞。トリック自体は解説にある様に他に書いている名高い作家も二人いるけど、それが書かれた両方の作品とも大好きなのです。現在の眼から見ると難点も目につくけど、それでも満足。
2024/04/15
えみ
どこか懐かしさを感じさせるサスペンス。無色透明なガラスに無数のひっかき傷をつけて曇らせてしまったように、霞んで見えなくなっていく真相をどうにかして覗こうと試行錯誤する保険調査員の新田純一が真実に辿り着くまでの話である。派手さはなく、というよりどちらかと言えば地味な事件。それなのに多額の保険金が掛けられていた父親の保険金受取人となっている美しく儚げな娘・小梶鮎子の謎めいた存在に翻弄されながら楽しく読むことができた。もしも一つでも上手くいかないことがあったらあの“自殺”はなかった。意外性が面白い小説だった!
2022/07/25
koma-inu
有栖川セレクション2。列車の窓から、崖から落ちる父親をみた娘。他殺が疑われる中、またも崖から転落死が発生。1961年作との事ですが、文章は非常に読みやすいです。昭和の雰囲気で、島田荘司さんのような作風。殺人も、島田御大を彷彿させる、トンデモトリック、特に第1の殺人。いやいや、これはやり過ぎ!と思いつつ、哀愁ただよう文章に引き込まれて、そこまで脱力感は無かったです。初読み作家でしたが、他作も読んでみたいです。
2022/02/15
geshi
新田の孤独とニヒルをまとったキャラ造形が後の代表作である木枯し紋次郎を思わせる。とは言えカッコいい主人公にまではなり切れておらず、何でこんなにモテるのか不思議 。アリバイの謎が中心に据えられているが、男と女の暗めな関係性のストーリーは昭和を感じる。第一の殺人のトリックがアリバイでありながら別のトリックにもなっているのは、なかなか意外な方向。第二の殺人のトリックは弱さを感じるが、伏線はさりげなくも丁寧。作品全体を覆うダークなトーンは、この動機の重さのためか・
2022/03/05
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