顔 FACE 〈新装版〉 (徳間文庫)
顔 FACE 〈新装版〉 (徳間文庫) / 感想・レビュー
ふじさん
平野瑞穂、23歳、D県警に所属し、「似顔絵婦警」として活躍していたが、1年前のある事件で休職し、一時は退職も考えたが現職に復帰。どの短編も、男性社会の盲点を突き、謎そのものがテーマに直結し、高いレベルで結実した作品だ。もちろんミステリーの仕掛けも、抜群の面白さだ。 小さい頃から、婦警になることを夢見た平野瑞穂の心の内には、正義感と、真実の渇望が渦巻く。「だから女はつかえねぇ!」の言葉に傷つきながらも、ひたむきにそれぞれの職場で婦警であり続ける意志の強さが、平野瑞穂というヒロインの魅力になっている。
2024/01/09
のり
D県警シリーズ。若き「平野瑞穂」は鑑識課の似顔絵捜査官として職務にあたっていたが、ある事件で上司からの圧力で改竄を命じられ、一時職務を放棄する。復帰後様々な部所を経験しながら成長していく。女はつかえねぇ と言う男達。事件解決に関して、お前達の方がつかえねぇ〜と言いたい。この若さでこの実績。これからのD県警が楽しみだ。
2022/10/31
よしぱん
★4 D県警シリーズ第3弾は、第1弾「陰の季節」に登場した似顔絵婦警にスポットを当てた短編集。今作では鑑識課からあちこちへ異動しつつ。①ある新聞社にだけ特ダネを流していたのは誰?②子供時代に放火で両親を亡くした女性からのSOS電話③後任の似顔絵婦警、やたら上手な似顔絵を書けたのはなぜ?④銀行強盗訓練と同時に本当の銀行強盗事件が、密通者は誰?⑤婦警が襲われて銃を奪われた。引き続き、管理部門側からの視点を中心にどんでん展開。にしても、現在も警察って「女のくせに」とかが飛び交う世界なのかな??
2023/01/20
がんも
気になっていた作家さんですが、読むのはこれが初めてでした。女性警察官が婦警さんと呼ばれていて、男社会の警察で『だから女は…』と呼ばれていた時代に、絵の才能とそれに付随する観察眼で事件の真相に迫る瑞穂、男社会の中でお荷物扱いされ心折れそうになるんだけど、折れる寸前で踏みとどまる瑞穂、事件が終わる毎に女性警察官として成長していく彼女にエールを送りたくなります。面白かったです横山先生の他の著書も読みたくなりました。
2022/08/24
キムチ猫屋
似顔絵婦警さん!「陰の季節」でも印象的でした。久しぶりの横山作品、刺激十分!女を否定されて辛い思いを何度もしているのに、犯人が「女」であることに油断する。なんかこの複雑な思い、なんかなんか、複雑・・・どちらも本音なんだよなぁ。男社会で働くとは、なんとも大変なことなんだ。シリーズ続くかな、また読みたいな。
2023/09/26
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