有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫)
有栖川有栖選 必読! Selection7 暗い傾斜 (徳間文庫) / 感想・レビュー
geshi
有栖川有栖さんの推しに期待したが、何でこれを復刊させようと思った?というレベル。社会派ミステリーの時代に社会派の筋立ての中で本格推理のようなトリックを組み込んだ作品という以上の価値は無い。事件に至るまでの窮状の積み重ね描写や逮捕に至るまでは読ませるけれどウエイトが重すぎる。男女の認識や社会観が異なる現代からすると意外性のない最初に思いつくトリックだし、それを虎の子のように押し出されても…。登場人物にとっても読者にとってもスッキリとしない暗い終わり方でモヤモヤ。
2022/12/25
だるま
数多くある笹沢作品の中から有栖川さんがセレクトした傑作選の第7弾。この作品は特に偏愛しているらしく、有栖川さんのエッセイや対談で何度か話題にされていた。東京と高知でほぼ同時刻に発生した死。2人を亡き者にしたいと思っていた容疑者の女性は、高知にいた事は認めたが、自分は殺されかけた方だと主張し、東京にはその時間に行ける筈が無いから無罪だと言う。このアリバイ崩しがメインの謎になる。探偵役が理詰めで考える所が、有栖川さんの気に入った点なのかな? 確かに面白かったけど、闇のある人物ばかりいて気が滅入った。佳作です。
2022/11/01
やまだん
太平製作所の女社長、汐見ユカは、個人で2000万円を借り、故人となった友人の夫、三津田という個人発明家に出資する。発明が成功する、その噂から騒動となるが、三津田は失踪。2000万円を貸し付けた矢島という大株主から、ユカは、結婚を迫られ、会社が乗っ取られる危機が迫り窮地に陥る。そして、高知で三津田が、東京で矢島が、同日に死ぬ。アリバイトリックを有栖川有栖が絶賛しているが、個人的にはそこまでとは思わなかった。最後まで熱中して読めたが意外性はそれほどでもない。読む前の期待値が高すぎたからか…(55点)。
2022/12/11
しゅー
★★「シリーズ編者偏愛NO1作品登場」どうやらアリバイトリックの特異性が有栖氏に響いたようだ。このシリーズで読み慣れてきたものの、この時代の推理小説(本作の場合はムード小説?)は読みながら違和感をぬぐえない。特に男女関係に関しては決定的に時代が違ってしまっている印象だ。なので、どの登場人物にも感情移入できないまま、ミステリとしての趣向のみに興味を持つ読み方になってしまう。本書のトリックは、ある種シンプルな構造で意表をつかれたのは事実だ。一方で主人公の素人探偵はともかく、警察を騙しおおせるものなのかは疑問。
2023/03/19
xuehuabing
ミステリーとしてはイマイチ。こんな杜撰なトリック、よく実行しようという気になったなあ。
2023/01/04
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