混沌の城 上 (徳間文庫)
混沌の城 上 (徳間文庫) / 感想・レビュー
Tomomi Yazaki
それは、比叡山の焼き討ちから始まった。信長の剣は僧侶だけでなく、無残にも女子供の首を刎ねた。それから時代は変わる。それは2012年に大きな異変が起きたあとの時代。(因みに本書は1998年の作品・・・)異世界の者たちが棲む時代。そこに現れた大きな男、武蔵。大きいだけでなく、圧倒的な肉感。そして強い。読み手は、安堵を覚える。と、伝奇小説の雰囲気を漂わせるけど、エログロ&バイオレンスの連発の嵐。えげつないグロが多すぎるではないか。エグい、エグ過ぎる。でもまだ下巻がある。どうしよう・・・
2022/11/04
そうたそ
★★★☆☆ 西暦2012年に起きた"異変"により文明が崩壊した世界にて、突然変異した生命が跋扈する中、武蔵は恐るべき謎の力"螺力"に立ち向かう――。これでもか、というほどに様々なものが詰め込まれた、ごった煮感が凄まじい作品であるが、物語が破綻せずしっかりまとめられているのは流石のもの。後半からもストーリーの展開が凄まじく、本当に最後にちゃんとまとまるのか、と思ってしまうほど。エログロバイオレンスがなかなか過激な伝奇小説ではあるので、読み手は選ぶかもしれないが、氏のファンなら読む価値はあるだろう。
2022/12/04
Porco
唐突でもないNTRに脳が破壊されてしまった。伝記SF ロマン作品の時の夢枕獏なのでバイオレンスとエロスは据え置きである。作者作の『闇狩師』の九十九乱蔵とどこか似たような一本気の通った感じを覚える唐津武蔵に飄々とした来輪左門という2人が動じず刺客たちを倒していくのは一種爽快さすら覚える。武術的な一対一の小気味良い戦闘描写は流石の作者といったところだが、残り半分で『月に呼ばれて海より如来る』みたいに投げっぱなしにならないようにきちんと終わるのかと若干心配だ。
2023/05/03
Katsuto Yoshinaga
思想とか愛とか、生活とか歴史とか、そういったものはなぁーんにも無い。短パンに上半身裸でベスト着た奴、スーツパンツに裸ジャケットの奴、ジーンズに裸革ベストの奴、ようするに芸人の“スギちゃん”テイストや“えーちゃん”のコンサートで見かける連中みたいな人たちが、ひたすらバトる。こうやって書くと、お笑いバトルなんだが、「マッドマックス2」の世界観オマージュで、アクション好きバトル好きを楽しませてくれる。映画『VERSUS』みたいだなと思ったが、こちらが先である。この手のモノでは、やはり夢枕獏は天才だな。
2023/05/06
5〇5
「これ、異変により文明が失われた未来世界を舞台にしたSF伝奇アクションものね」 「この世界観は夢枕獏節全開だよね。登場人物たちが、いかにも獏さんらしいんだよな」 「そうそう、わかりやすいキャラ設定だから、すぐに入り込めちゃう。あと、”螺旋”がキモになってるのね」 「この時代の背景と登場人物たちの関係性がわかってきたね。超能力バトルの行方も含めて、下巻が楽しみだ」
2022/12/13
感想・レビューをもっと見る