有栖川有栖選 必読! Selection11 シェイクスピアの誘拐 (徳間文庫)
有栖川有栖選 必読! Selection11 シェイクスピアの誘拐 (徳間文庫) / 感想・レビュー
だるま
笹沢作品の中から有栖川さんが厳選したセレクションの第11弾で、今回は初の短編集。暗号、倒叙、アリバイ、人間消失、等、8つのジャンルに挑んでいて、全部が傑作という訳では無いが、それぞれ捻りがあって面白かった。表題作は何ともインパクトのあるタイトルだけど、ハムレット役者が誘拐に絡むというだけでやや肩透かし。ベストはアリバイ物の『愛する人へ』だろう。殺人を犯した主人公が、訪ねて来た刑事にアリバイを述べるが嘘だとバレてしまう。主人公に嘘を言わせたキッカケが素晴らしく、結末に大いに納得した。著者の短編、結構良いな。
2023/06/21
ふう
有栖川強力プッシュ中の笹沢佐保の必読Selectionの一冊。バリエーション豊かな8編が収録されたミステリ短編集。ベストは「愛する人へ」。皮肉とはまさにこのこと。タイトルもいい。「空白の起点」がいまいちでちょっと心配だったがこれはきちっとミステリだった。私笹沢左保は長編より短編がいいのかもしれん(笑)
2023/08/15
コチ吉
セレクションで初?の短編集。様々なテーマで書かれた8編が並ぶ。やや出来にムラはあるが、いずれも秀作と言っていい。個人的に一番は「年賀状・誤配」。短編とは思えぬほどの密度と予想外の展開は、大山誠一郎氏の短編を思わせる。
2024/05/18
かすみ
1980年頃の短編小説です。よく練られた推理小説で、どの作品もとても面白いです。「なるほど!」と唸らされます。
2023/06/28
ゆきゆき
著者の作品は長編ばかり読んできたが短編集も面白かった。表題作の暗号・誘拐事件の真相と、最後1ページで明かされる真実のくだりは秀逸。その他にも倒叙形式で進む「知る」「愛する人へ」「盗癖」「計算のできた犯行」の皮肉の効いた幕切れは、R・レヴィンソン&W・リンクの作品を思い出させますね。
2023/09/26
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