FLESH & BLOOD〈5〉 (キャラ文庫 ま 1-15)
FLESH & BLOOD〈5〉 (キャラ文庫 ま 1-15) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
「カイトが振り向いてくれないとしても、彼を愛するのを止めることはできない」ナイジェル、おまえもか!三角、いやビセンテ入れれば四角関係?ウォルシンガムには、どうにもスパイマスターとしての資質に疑問を感じてしまう。むしろカイトを救う策をジェフリーに授けたロバート・セシル。皆川博子さん『海賊女王』にも登場した矮躯の謀略家。どうも美形揃いの男たちばかりだと『グイン・サーガ』のアリのような存在を求めてしまう。(^^ゞ聖職者規定は初めて知る知識。あらゆる罪‐殺人罪からでさえ必ず一度は許される代わりに、すでにその恩寵→
2014/05/16
エンブレムT
宮廷での正義は、権力を持つ者の元にある。猜疑、嫉妬、渦巻く悪意が海斗を謀略に巻き込み、舞台は牢獄へと移っていきます。う~む、こんな形で当時の宮廷内勢力図と、公平ではない裁判と、拷問方法を知ることになろうとは・・・。実在したウォルシンガムの描かれ方が容赦なく「悪役にしちゃって大丈夫なのか?」と心配になったり、同じく実在したシェイクスピアの『謎』を「こう埋めてきたか!」と感心したり、史実と創作の混じりっぷりを楽しんでいたもので、実はジェフリーが甘味を投下してきた時に一番ビックリしたのでした。BL作品なのにw
2014/02/15
扉のこちら側
初読。とりあえず逮捕!という16世紀のイングランドの「法廷劇」。レイヴンのお礼参りをジェフリーより先に言い出すナイジェル。
2010/01/25
カナン
殺人の濡れ衣を着せられクリンク牢獄へ幽閉された海斗。彼を救い出すために奔走するジェフリーとナイジェル、玉座で沈黙する女王、そしてこの隙に海斗を奪おうと画策するビセンテ。必ず海斗と共にプリマスに帰りグローリア号に乗ろうと互いに誓いながら、目的地を訊いたジェフリーに「どこでもいい、おまえとカイトがいれば」と言いきったナイジェルが、本当に清らかで好き。自由人のジェフリーが頭を下げ、寡黙なナイジェルが熱弁を揮い、聖職者既定の適用を武器に海斗を死地から救い上げる猛反撃は見事。このシリーズは敵すら粋過ぎてずるいよね。
2018/10/13
藤月はな(灯れ松明の火)
まるで精神を膾にされるような拷問に寒気がしました。しかし、疑り深く、危険要素を排除するためには手段を選ばないウォルシンガムのような人が居なければ大英帝国は存在しなかったかもしれなかったかもしれません。また、宗派で後の利害を考慮して蝙蝠のようになれたとしてもそれすらも許されぬ時代だったのでしょうね。個人的にレイヴンのような人物は日本のエタ・ヒニン制度にも似通った体制を表している人物で興味深かったです。いつもは無口なナイジェルが言葉を尽くすところはグッときますね。あと、忘れていてごめんね、和哉・・・・(汗)
2011/05/12
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